「この街で夢をかなえる」堀米薫著を読んで
なんで、おれんとこにこの本が回ってきたんだおか。
昔、自分のことを「おれ」って言って、かあちゃんに怒られたっけなぁ。
「おめらは、大きくなったら千葉に出て働かなくちゃおいねえだぞ。標準語でしゃべれ」と言われたもんだ。
「かあちゃんも、ばあちゃんも「おれ」って、そいてんのに、なんでおいねえの」
「子どものうちから気をつけておかねえと、都会に出たときにわらわれっぞ」
そういわれて育ったので、最近あまり方言を使っている人はいないような気がする。
だからタレントの王林さんが誇りをもって津軽弁を使っているのを見るとすごいなぁと思ってみている。
私は米とトマトやキュウリのハウス栽培をしている農家に生まれたけれど、地域に工業地帯やゴルフ場ができて、働く場ができた上に農業の機械化が進み農機具を買うよりも働きに出た方が楽に生活できるからと離農する人が増えて、我が家もコンバインが壊れたときに米農家をやめた。
この本を読んでいると、地元の第一次産業を大切にして、未来につなげようとしていることがよく分かり、自分たちのふがいなさが身につまされる。
地元のことばを大切にすることも、農村の風景を守り残すことも大切なことだ。
いま、自分に何ができるのかを考えなければ、と思う。