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Steve McCurryの写真|構図と色の研究

私が好きな写真家のSteve McCurry(スティーヴ・マッカリー)。10年以上前に写真をはじめたときに、Steve McCurryのような写真が撮りたいと思い、彼の作品を研究したことがありました。

研究した結果、Steve McCurryの写真は「構図と色」が写真の魅力を高めていることがわかりました。

Steve McCurryの構図

この写真では、それぞれ対比を表しています。中央の白い老人と子どもが向き合っており、その後ろではラクダともうひとりの子どもが向き合っています。ひとつの写真の中に、同じ構成が二つ存在しています。

また、老人と子どもは白色、ラクダと右側の子どもは茶色と、色の対比も含まれています。その他にも三分割で分けると、右下の交点に子どもが配置されており、構図の基本がしっかりおさえられています。様々な要素が含まれた写真です。

では、次の写真です。

赤ターバンの男性を中心に、線路、列車、白帽子の老人、そして、タージ・マハルが配置されています。特にタージ・マハルは黄金比のポイントにしっかりと配置されており、完璧な構図です。

ふと、後ろのタージ・マハルが無ければどうなるのかと思い、Photoshopでタージ・マハルを消してみました。

すると、ただの鉄道写真という印象になってしまいます。タージ・マハルという副題があるのとないのでは、写真の印象が大きく違います。

Steve McCurryの色

構図の他にも、Steve McCurryは色の使い方にも特徴があります。

中央男性の赤色のターバンは目を引くポイントですが、これが赤色じゃなかったらどうなんだろうと思いました。先ほどと同じようにPhotoshopを使ってターバンの色を白色に変えてみると、色の特徴がなくなったインパクトの薄い写真に見えます。

他にも有名な「アフガニスタンの少女」の写真も、服の色を変えてみると印象が変わります。

Steve McCurryの写真は、多種多様な色を使うというよりも、むしろ色の引き算を行って限られた色を効果的に写真におさめています。

このように、Steve McCurryは「構図と色」の持つ力を写真に反映させて、写真の魅力を極限まで高めています。

あらためてSteve McCurryの凄さと、写真の素晴らしさに感動しました。

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