見出し画像

マジックに興味をもった時

ひょんなことから手品について本格的に調べ始めたのは今年の4月くらい。けれど、もともと興味があって、しかしずっと自分には縁遠いものとして忘れてたような分野だった。

手品に興味を持ったのは5~6歳の頃だったと思う。通っていた保育園の夏祭りで初めてマジシャンを見たことがキッカケだったと思う。

その夏祭りは日が落ちてからから行われる行事で、保育園の敷地のそこかしこに色とりどりの提灯が飾り付けられ、先生や保護者の方々が店をだしたり、ステージで出し物があったり賑わっていたと記憶している。子供にとっては暗い中で遊ぶっていうだけでも一大イベントだった。

一番広い教室の掃き出し窓を全開にステージ代わりになっていて、そこに赤い燕尾服と黒いシルクハットのマジシャンがいた。大昔のことなので記憶がおぼろげすぎて何を演じられていたかとかは覚えてないが、花を出すマジックとか、ハットやステッキを使ったものだったと思う。

腰を据えてがっつり観覧するタイプのショーじゃなく、フリースタイルで祭りを楽しみつつ流し見するタイプのやつだっと思うので興味がある人だけが足を止めて見る感じだったと思うけど、自分は足をとめてがっつり見ているタイプの子供だった。

自分の前で起こる珍妙な現象に目をひかれつつ、手品というのはそれにタネがあるという世界観にも子供ながら理解をしていた。そしてそのタネを明かしたい気持ちが起こり、自分には全く想像ができない。とにかく興味がそそられる!…という思いを抱いた夏祭り。それがマジックに興味をもった原点。

それから時を経て、小学生になると「マジックの本を読んでみよう」くらいの知識がついて一冊買って読んだとおもう。しかし当時の自分には難しい技法書を選んでしまったらしく、解読ができず、当時は動画もないし、まわりに聞ける大人もいない、読みすすめて数ページの「基礎技術」的なところでどうにもできないことがあり、もうわからなくなってしまって、すぐに「自分には無縁だわこれ」と諦めてしまった。

時を経て…

数ヶ月前にあるキッカケがあり手品のバリエーションというものを調べていた。そのうち「そういえば昔は手品にものすごく興味をもっていたな」と思い出して、少しだけ掘り下げて調べてみようと思い立った。まず、純粋に仕組み(タネ)のおおよそのパターンみたいなものをを知りたいと思っていた。

昔は「技法書が難しい」という壁があってとても入れる世界ではないと諦めていたんだけど、そう、今なら「動画」がある。本屋に買いに行かずとも、家でちょっと調べれば見れちゃうじゃん…

と、お気軽な気持ちで検索をかけると出る出る。それはもう見る時間が追いつかないくらい。テレビでみたことあるようなマジックまでタネが明かされていて、こんなんタダで知ってええんじゃろかと思ったくらい。

それからほどなくして手品関連の書籍を集めるだけ集めて読むようになった。高木重朗さんの本「トリックの心理学」「魔法の心理学」が今は気に入っている。

読んでうちに手品というのは指先の技法だけではなく、人の心理をついたトークや振る舞いが大事になることをやっと理解した。今まで手品というのはなんとなくクリエーターみたいな世界だと勝手に思ってたのだけど…なるほどこれはパフォーマーなのかと。ようやく、この歳になって、ほんと「今?」っていうタイミングで理解した。

クリエーター・パフォーマー、どっちの要素もあるには違いないんだろうけど、私が感じていたより「パフォーマンス」の比重が大きい世界なんだなと感じた。タネと手先の技術だけですごい手品になるって思っていたんですよね。手品のなかの仕草やトークがどんなに大事になるかなんて発想は、色々調べる前の私の頭の中にはなかった。

タネと技術の上にどのようなパフォーマンスや表現が乗っかるかで見せる世界がまったく違ったものになるというのは、いろんなモノづくりの芯に共通するところがあり一層の面白さを感じた。

その上で、マジックってどんな人が演じているんだろうという興味をひろげ、記憶を遡ってあの保育園にきてくれた赤い燕尾服のマジシャンのおじさん(おじいさんだったかもしれない)はどんな人物だったんだろうか。とよく想像するようになった。

いいなと思ったら応援しよう!

くらもと
サポートいただけた場合、マジック用品やマジック関連のなにかにお金を使わせていただきます!