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冬の夜とハレの空間:秩父夜祭
こんにちは
例年12月3日は埼玉県秩父市で「秩父夜祭」が開催されています。
土日祝日は関係なく2日に宵宮、3日に本祭とされ、長い歴史を持つ伝統的な文化を感じさせるお祭りだと思います。
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提灯の灯りのみで舞う姿が美しい
そのような日本的な文化や風景がある場所は好きでして、昨年に続き今年も秩父夜祭に行ってきました。
▼2022年の秩父夜祭記事
ということで、
[秩父夜祭に行ってみた2023]的なお話をしていこうと思います。
日々のすき間にちょっとのぞいてもらえたら嬉しいです。
それではどうぞ
|秩父夜祭という御祭
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まずは「秩父夜祭」ってどんなお祭りなのか、ということを見ていきたいと思います。
「秩父夜祭」は約300年前から続く歴史あるお祭りです。
「秩父夜祭」の名で知られる秩父神社の例祭は、能楽を想わせる典雅な神代神楽に勇壮な屋台囃子、豪華な笠鉾・屋台の曳き回しに呼応する盛大な打ち上げ花火の競演など、人々を魅了するお祭りとして知られ、例年20万人以上の人出が見込まれています。
そもそもこのお祭りは、ご祭神である妙見様にちなんだ祭礼であり、かつては旧暦11月3日に行われていたものが、明治の改暦によって12月3日となり、現在に至っています。
妙見信仰とは、古代バビロニアにはじまり、インドと中国を経て、仏教と共に我が国に伝来したものが、平安時代に献灯をもってする北辰祭として都に流行し、時を経て上野(今の群馬県)の国衙に近い花園妙見寺から秩父平氏が招来したもので、北辰(北極星)・北斗(七星)を神座とする星辰の信仰として伝えられました。
秩父夜祭が、武甲山の男神と秩父神社の女神との年に一度の逢瀬の物語として語られることも、中世以来の信仰史の育てた風土のロマンにまつわるものと考えられます。
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お祭りは賑やかで娯楽的一面があるかもしれません。
ただ、その手前にある意味は地域の繁栄、泰平の世、五穀豊穣、など一年を通じて暮らす地域へ祈りをささげる「儀式」としての祭礼だと思います。
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人々の暮らしと自然への信仰がとても深く共存している、秩父夜祭をはじめ日本の各地域に残る伝統的なお祭りに共通している文脈ではないでしょうか。
|祭禮の空間
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今年の12月は例年に比べると暖かな気候だと思います。
でも夜になればやはり寒い。
秩父盆地とも言われる地形特有の寒さは身体に沁み渡ります。
そんなキーンとした冬の空気に包まれた中に広がるハレの空間はどこか幻想的です。
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夜の街に露店が立ち並び、漂う湯気や美味しいそうな匂い、祭事幕や提灯で飾られた会所、遠くの方から聞こえて来る太鼓の音、そして澄んだ夜空に打ち上がる冬の花火。
交通規制が掛かった通りに入るとそこには、普段の風景からガラッとお祭り空間(ハレの空間)に変容した姿はとてもキレイですし、別世界に訪れたような気持ちにもなります。
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そして、御旅所と呼ばれる広場に笠鉾・屋台が並ぶ姿はまさに幻想的。
辺りには人工的な照明はほぼなく、あるのは本物の火の灯りだけで、それは提灯の灯りやかがり火の灯りであったりと人工照明にはない不規則に揺らいだ灯りは幽玄的な空間を感じます。
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いい匂いにそそられます。
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祭礼の空間を感じさせる。
商業イベントとは異なり、秩父夜祭りのような祭事は儀式的な意味合いが強く反映されています。
ですので、笠鉾・屋台が並ぶ御旅所は神事を執り行う場を象徴させているのだと思います。
その年の終わりを無事に迎えられること、そして新たな年も穏やかに暮らせていけるように、など地域を守る神様(自然)に想いを込める時間がお祭り(祭礼)ではないかと考えています。
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今では珍しくなった蠟燭に火を灯している。
ですので、諸々の技術やシステムが発展し移り変わりが多い現代とは対称的で人間らしさを感じさせてくれる時間の大切さも気づかせてくれます。
今年はもう終了してしまいましたが、興味がある方は来年ぜひ訪れてみてくださいね。
ということで、
今回はこの辺りで失礼します。
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澄んだ空気と夜という暗闇で周囲が消えるので一層美しさが増す
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
ではまた
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