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私の体験したB2B企業のブランディング

#マーケティング

企業向けの商材を扱っている企業をB2B(B to B)企業と呼びますが、そのブランディングについて調べてみました。自分の体験を加えてまとめます。

冠ブランドのカンファレンスイベント

一つ目は冠ブランドのカンファレンス・イベントです。例えば販売管理や顧客管理のクラウドシステムを開発・販売しているSalesforceは『Dreamforce』というイベントを毎年開催しています。

2022年はサンフランシスコのモスコーンセンターで開催され、オンラインで配信されました。最近はハイブリッドなイベントが多いようです。写真を見るといかにも楽しそうです。

だいぶ前の話ですが、私はAdobeに買収される前のMacromediaのイベントに出張したことがあります。同じモスコーンセンターでした。

当時私はMacromediaのオーサリングツールDirector 用のプラグインソフトの企画をしていました。

単独でこんなイベントが開催できるのかと興奮したものです。特に感激したのは、開発中の新機能をこっそり見せてくれる「スニークプレビュー」でした。Directorの開発陣が登壇して開発中プレゼンしました。こんな機能が加わるのかとワクワクしましたし、技術者もこういう場でプレゼンテーションするのかと勇気づけられました。

スニークプレビューは顧客に対して特別感を与え、反応をみることで新機能の検証ができますね。技術者を登壇させることは技術者が顧客視点になるためにも有効であると思います。

イベントでのVIP対応

2012年のSalesforceの日本でのイベントCloudforce JapanにVIPとして招待されました。

CEOのマーク・ベニオフが来日し、トヨタ自動車の豊田章男社長と元米国務長官 コリン・パウエル氏と登壇しました。

招待されたVIP専用のVIPルームでは昼食会があり、登壇したコリン・パウエル氏との写真撮影会が催されました。私もいそいそと列に並んで写真を撮ってもらいました。

コリン・パウエル氏と私

顧客企業のVIPを招待して、特別な扱いをし、経営層にブランド認知と評価を高めるのは効果的だと思います。多忙な経営者をイベントに引っ張り出すには、その気にさせるような特別感を提供するのがポイントでしょう。

Salesforceのように単独イベントは資金力がないとできませんが、業界イベントへ出展した際に、会場内や会場周辺のホテルなどにVIPルームを用意して、顧客企業の経営陣を招待することはできますね。

招待制の業界イベント

マーカス・エバンスが運営するCMO Japan Summit に出たことがあります。企業のマーケティング部門責任者とマーケティング関連のソリューションベンダーを集め、著名人の講演や企業事例のプレゼンテーションなどを行います。

メインは企業のマーケティング部門責任者とマーケティング関連のソリューションベンダーのワンツーワンの商談会なんですけどね。

私が注目したのは「ラウンドテーブル」によるディスカッションです。このラウンドテーブルはテーマ別に参加各社のマーケティング部門責任者とフリーディスカッションをするのです。

私は運営側からラウンドテーブルのファシリテーターを依頼されました。密にコミュニケーションできるので、各社の状況や課題などを聞くことができて、貴重な情報交換ができました。このような形でイベントの運営に参加させることで、参加者の心をつかむことができると思います。

研修施設

最後は、研修施設です。日本IBMのコンサルティングを受けたことがあります。

IBMは伊豆に『天城ホームステッド』と呼ぶ宿泊型研修施設を持っています。

1968年に設立されたのだそうです。自然豊かな環境です。来館者が2022年1月1日現在14万6千人だそうです。

私は会社のマーケティングチームの合宿研修でこの施設を利用しました。IBMメンバーの主導でカスタマージャーニーのワークをしたのです。各部門の役員クラスも集まってワークをし、夜は情報交換し、有意義な時間を過ごしました。

不便な場所なのでかえって良いのです。多忙な役員もじっくり参加します。

部屋にはテレビもありません。IBMロゴのコーヒーカップが洒落ていました。

IBMのカップ

IBMではこの会場を活用して『天城エグゼクティブ・プログラム』を実施しています。著名な企業経営者や、各界の第一人者の有識者による講演などで各社の経営陣をとらえています。

こうした施設を持ち運営するのはなかなか大変ですが、B2B企業のブランディング効果は高いと思います。

以上、自分の体験を通してB2B企業のブランディング施策についてまとめてみました。

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