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「分析のフレームワーク」マーケティング基礎セミナー原稿から
マーケティングの基礎セミナーの原稿からの第四弾です。
①「マーケティングの歴史」https://note.com/kurakakeya/n/n38d818f2bf6a
②「マーケティングの進め方」
https://note.com/kurakakeya/n/na9fb2b841326
③「企画書の書き方」
https://note.com/kurakakeya/n/ne4012d19b668
今回は「分析のフレームワーク」についてご説明します。
フレームワークとは
考えを整理して文言化するためにフレームワークというツールを使います。フレームワークとは、考えるべきポイントを定型の図や表などに整理したものです。
さまざまなビジネス・フレームワークが開発されています。これら先人たちの経験や知見を練り上げて凝縮したものです。フレームワークをうまく活用すれば、
・論理的、客観的に考えられる
・俯瞰的な視点で物事をとらえることができる
・モレなくダブリがなくなる
・考え方を人に説明しやすくなり、わかりやすい資料が作れる
・仕事が速くなる
というメリットが得られます。
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またフレームワークを関係者といっしょに作ると、関係者の意見も反映されて、合意を取りやすくなります。
今日は普遍的に使われていて基本的な分析手法である「SWOT分析」と「3C分析」を説明します。
SWOT分析
SWOT分析は、自社の強み(Strength)、弱み(Weakness)と、自社を取り巻く外部環境の機会(Opportunity)と脅威(Threat)を分析するフレームワークです。
このフレームワークのメリットは、自社の内部環境だけでなく外部環境も考えることで、客観的に状況を捉えることができる点です。
また機会と脅威など、プラス面とマイナス面を同時に分析することで、広い視野で判断ができます。
このフレームワークは企業だけでなく、NPO法人や個人などでも広く使えます。
AppleのSWOT分析の例を見てみましょう。
強みはデザイン力や世界的なブランド力、そしてマーケティングでしょう。
逆に弱みはAppleの世界をつくるがゆえに、独自のシステムになっていますし、それ故にコストが高いといえます。
機会は、パソコンからタブレットへの需要移行で、iPadが成功しています。新興国での販売はまだまだ伸びると思われます。
脅威は、やはり、アンドロイド端末の躍進でしょう。
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SWOT分析の進め方
まず、機会(O)と脅威(T)の外部環境分析から始めます。
・市場や自社をとりまく環境に変化はあるかどうか?
・もし変化があれば、それはどのようなものか?
・その変化に対して他社はどのように追従しているのか、もしくは追従していけるのか?
そうした観点で要素をあげていきます。
次に、強み(S)と弱み(W)の内部環境分析をします。
競合の変化の対応に対する自社の強みと弱みを洗い出します。自社の強みや弱みは、競合企業との相対評価として客観的に分析しましょう。
事実・データや、ソーシャルメディア分析での気づきなどから分析を行い、安易に主観的な分析は避けるようにするのが重要です。
3C分析
3C分析とは、お客さま(Customer:お客さま・市場)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの頭文字を取ったもので、自社を取り巻く業界環境の整理に役立つフレームワークです。シンプルでわかりやすく、社内合意形成にも有効です。考案したのは、日本の経営コンサルタントの大前研一さんです。
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Customer
3C分析は、お客さま(Customer)からスタートします。自社(Company)から始めるのがやりやすいのですが、自社からはじめると近視眼的にになってしまいがちです。お客さまがどのような価値を求めているかを先に考えることで、自社に都合の良い3Cになりづらくなります。Customerは単にお客さまだけでなく、広く「市場」も捉えるのが良いです。
お客さまを知るには、
・社内のデータを読む
・お客さまと接点のある人、例えば店舗スタッフやカスタマーサポートの人などをヒアリングする
・口コミサイトなどネットで調べる
・対象となるお客さまが読んでいると思われるサイトや雑誌などを読む
・典型的な対象に当たるお客さまや社員、社員の家族にインタビューしてみる
お客さまを知るのに、外部データを活用する方法もあります。総務省統計局や、市場規模マップ、Googleトレンドなど、さまざまなデータが公開されていますので、必要に応じてチェックしてみると良いでしょう。
Competitor
お客さまの次は競合(Competitor)を分析します。
・一番の競合はどこか?
・競合のサイトをユーザー目線で見る
・競合の店舗に行ったり、サービスを体験したり、現場に出かけて実際に購入したりして客として体験する
・競合のSWOT分析をしてみる
お客さまと同様に、対象となるお客さまを見つけて、その人にインタビューしたり、外部データを参照するのも良いです。
お客さまが求めていることから考えると競合は必ずしも同業他社ではないです。例えば、コロナ禍で出張が減ったために、新幹線の競合は飛行機ではなく、Zoomだったりします。
Company
最後に自社(Company)を分析します。自社のSWOT分析が役に立ちます。お客さま、競合を分析した結果、自社がどのような手を打つことができるのかを検討します。自社ならではの強み、差別的優位点は何でしょうか。お客さまが「価値」を感じるポイント(選定理由)は何でしょうか?
分析の際に実際に書き出す言葉は、単語、熟語だけでなく、具体的な言葉にすることがコツです。
例えば「ディスカウント戦略」ではなく、「低価格を武器にしている」、しかしこれでも背景までは書かれていないので、「大量仕入により仕入れ値を下げ、低価格販売を武器にしている」と、ここまで書くのが良いです。
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SWOT分析、3C分析はシンプルで分かりやすく、やりやすいフレームワークです。自社で企画会議の時などに、付箋紙などを用意して時間をとってメンバーで作ってみると認識が共有でき、新しいアイデアが出ますし、独りよがりにならずに済みます。
ぜひ活用してみてください。
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