学校の勉強は社会で使っていないという錯覚

こんにちは、くらげ先生です。
探究の意義から総合型選抜入試、さらには大学の学びから入社面接、そして社会での学びについてどのように伝えていけばいいのか、日々探究です。

学校の勉強なんて社会で何の役に立つの問題

勉強したくない言い訳によく言うセリフ。仲間内で同意を迫るような悪魔のセリフ。親や兄弟なども言うし、誰も納得できる答えが言えないと信じているセリフ。・・・この根底にある課題として、自身で深く追求したことがないことが一番の問題ではないでしょうか。
真っ向から意義を伝えることもしましたが、言い負かせてしまっただけになるのかな、結局考えないだろうな・・という印象。

自身で何かを深く追求する経験

別に探究である必要はありません、課題は何でもよいのです。私の場合、舞台演劇でした。人の感情を捉え表現することを目的とした分野だったので、わかりやすく追求する行動になりましたが、スポーツ分野でも追及の仕方を根性論ではなく、科学的に分析と論理のなかで向上を目指すのもよいでしょう。アイドルになりたくてどの様にレッスンに臨めば照明を受ける側に行けるのか、技術の要素と戦略を練るのもよいでしょう。打ち込めるものを題材に、深く追求するプロセスを経ると、学ぶことの意義も考えられる人にきっとなれる。

探究のテーマ設定において

探究のテーマ設定で、世の中の課題を優先して考えてしまって、勉強のようにただ知識を拾い集めてしまう状態を、どうにか打破したいと思っています。好きなことであれば、拾い集めた知識をなんとかして自分の好きレベルを上げることにつなげたいと思うはず。そう、その世界ではオタクになれるテーマを選んでほしいのです。そこに解釈が生まれ、解釈するための知識を欲し、その理解に必要なあらゆる要素が教科の学習に詰まっているはずなのです。だから、テーマは”好き”と”こだわり”の度合いの高いものを選んでほしいのです。課題解決力が探究の目指すところではありますが、課題がない世界なんてないのです。隠れた課題を見つけ・設定して突き詰めればよいのです。

学校の先生のアドバンテージ

一緒に授業を持っている理科の先生は、ここがとてもうまい。生徒の理解を助けるために、既習の内容をつなげて話している。そして、勉強しろとは言わない。ただ、生徒の興味と学びをつなげて話す。これこそ、教員ゆえにできる。私のような外部指導者ではできない教え方。もちろん、教科書を小中高とつなげて読み通せば、習得はできるとは思いますが、それは私の価値の出し方ではないので、先生に譲ります。

入試だってちゃんと使えます

これは鶏と卵問題でもありますが、大学入試も着実に（計画に対しては遅れつつも）変化しています。学力のみの一般入試から、総合選抜型入試での入学者の数は、私立先行で公立が追う形のようですが、枠は広がっています。
国公立を狙う人や特定分野では学業優先、あるいは両立の必要は残るかも知れません。しかしながら、従来の合格者の下位3割を総合型に切り替えることで、より質の良い、学ぶ力がある学生が獲得できるという論理もあるようです。入試の世界も変化しつつあるので、進路選択次第では総合型でチャレンジできる幅が広がった世界になったともいえるのではないでしょうか。もちろん、総合型選抜を使わないとしても、学び方を心得ていれば、既存の強化の学習力も知らない間に向上してます。

気づいていないだけで、みんな将来使ってる

社会に求められる資質は、探究✕教科の両面から延ばせるはず。だから、目の前の子どもたちにとって必要な学びを提供する。教科から得られる語彙力、理解力、発想力、知識、記憶の引き出し、それらをつなげる探究。みんな言語化をしていないので、勉強したことを使っていないと思いがちですが、より多く使える人のほうが、楽しいと感じる幅が広がります。きっと。

余談ですが、私もこの半年現場を経験することで、探究に関する知識や語彙がものすごい増えました。アプローチ方法の幅も広がり、過去の経験の再解釈も進みました。生徒の持ち出すテーマについて勉強してみるのも結構楽しい。そこに教科の要素があるときに、本に書いてあることへの理解が及ばないのが悔しかったりもする。なにか、こだわれるテーマに取り組んで学んでいる時間は、何より楽しいと思ってます。

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