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相続アドバイザー3級 項目9. 遺言の撤回と無効
・遺言者は生存中であれば、いつでも遺言を撤回することができる
・遺言者は、その遺言を撤回する権利を放棄することはできない
・遺言の撤回は、新たな遺言をおこなうことによってのみ、なしうる
※遺言によらず、たとえば内容証明郵便によって「遺言を撤回する」と
宣言しても、遺言を撤回したことにはならない
※「前の遺言」と「後の遺言」の方式が、異なっていてもよい
・「令和3年5月4日の私の遺言を撤回して、新たな遺言をおこなう」と
いったような明確な文言が無くても、前の遺言が後の遺言と抵触する部分
については、遺言が撤回されたものとみなされる
・遺言者が故意に(わざと)遺言書を破棄したら、その破棄した部分に
ついては遺言が撤回されたものとみなされる
※公正証書遺言の場合は、原本が公証役場に保管されているため
交付を受けている正本を破棄したとしても、遺言を撤回したことには
ならない
<遺言撤回の効力について>
原則:第1の遺言をした後に、これを撤回する第2の遺言をした場合
たとえ、第2の遺言を撤回したとしても第1の遺言は復活しない
例外:ただし、第1の遺言を撤回する第2の遺言が、錯誤・詐欺・強迫に
よる場合には第1の遺言は復活する
<遺言の無効について>
原則:後見人等に有利な(利益となる)遺言は、無効である
例外:ただし、後見人等が直系血族・配偶者・兄弟姉妹の場合には
有効である