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記憶屋Amber まとめ

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記憶屋Amberという短編シナリオ作品のURL一覧ページです。 創作大賞に出品している作品ですが、書きたい話は3話で収まらないので その後もシリーズとして書き続けます。 あら…
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#創作大賞2024

記憶屋Amber - 第三話「鍵屋は自分を琥珀に閉じ込める」-

〇記憶屋Amber・店内(夕)  会話する奈央、奏多、前田。 前田「他に何か覚えて……」  前田の声をかき消すように開く扉の音。  チカが入ってくる。 チカ「ただーいま!」  扉の方を向く前田、奈央、奏多。 前田「お帰りなさい」  チカ、奈央を見て一目散に飛びつく。 チカ「お姉ちゃん! 久しぶり!」 奈央「チカちゃん! 久しぶり!」 奏多「この子が、あの絵の子?」 奈央「そう!」  店の外に出ていく前田。  考え込む雨野。 〇記憶屋Amber・店外(夕)  前田の手によって

記憶屋Amber - 第二話「オパールは自分の気持ちに気付く」 -

〇記憶屋Amber・店外(夕)  店の外に立つ奏多の姿。奏多、店を見上げている。 前田の声「消したい記憶、ございませんか?」 奏多「消したい記憶?」  笑顔の前田が立っている。 前田「うちの前に居たということは、何か記憶でお悩みなのでは?」  奏多少し慌てて、 奏多「あ、いえ、俺はただ、幼馴染がここに入っていったので気になっただけで……」 前田「ああ、奈央さんの」 奏多「あ、そうです」  奏多、伺うように前田を見て、 奏多「あの、消したい記憶って?」 前田「ここは記憶屋。ここ

記憶屋Amber - 第一話「サファイアは恋心よりも友情を選択する」 -

あらすじ 人は誰しも消したい記憶を持っている。記憶屋Amberは他人の記憶を結晶化し、琥珀糖にする店。恥ずかしい記憶、トラウマ、嫌な記憶。ここに来れば頭の中からすべて消し去ることができる。Amberの店主・雨野亮一(32)は記憶を琥珀糖にする能力を持つ。琥珀糖を食べると、その記憶を手に入れることができる。雨野の目的は、5年前何者かによって記憶の大部分に鍵がかけられてしまっていたチカの記憶の鍵を手に入れることであった。  ある日、親友によって好きだった幼馴染を奪われた小森奈央(