1994.12.4「プロボクシングWBC世界バンタム級王座統一戦 薬師寺保栄 vs 辰吉丈一郎」名古屋市総合体育館
久々の生観戦
今日12月4日は、これから久しぶりにボクシング観戦しにエディオンアリーナ大阪へ行きます。
生で試合を観るのは、後楽園ホールで藤本京太郎選手のWBOアジア・ヘビー級タイトルマッチを観て以来5年ぶり。そしてエディオンアリーナ大阪でのボクシング観戦は、井岡一翔選手のWBA世界ライトフライ級タイトルマッチ以来9年ぶりです。いやあ楽しみ!
世紀の一戦
さて、12月4日と言えば忘れられないのが、今から28年前の今日12月4日行われたまさに“世紀の一戦”、正規チャンピオン薬師寺保栄と、暫定チャンピオン辰吉丈一郎の日本人同士による試合。
この試合が組まれるまでの流れを要約すると、プロ8戦目で当時の最短記録となる世界タイトルの栄冠を手にした辰吉丈一郎は、タイトル奪取後、ビクトル・ラバナレス(メキシコ)との2度の死闘を経て再び世界タイトルを手にするも、度重なる目の異常を訴え、結果として網膜剥離となりタイトル返上を余儀なくされるが、特例により暫定ながらも世界チャンピオンとなる。
一方その間に、韓国の世界チャンピオン辺丁一(ピョン・ジョンイル)を倒して世界チャンピオンとなった薬師寺保栄は、正規チャンピオンとして2度の防衛に成功し、3度目の防衛戦として迎えたのが、“暫定”チャンピオンの辰吉丈一郎。
辰吉有利
下馬評では「辰吉の圧勝」が予想されており、かく言う私も辰吉の勝利を予想。
そしてまたリング外での両者の舌戦もヒート・アップ!
特に辰吉の薬師寺に対する挑発は、凄まじかったのは今でも覚えている。
「薬師寺!?アレでチャンピオン?笑わしたらアカンで」など“辰吉節”が炸裂。また薬師寺も負けずに「正規チャンピオンは僕です。彼(辰吉)は暫定」など言い放ち、両者一歩も譲らず終いで運命の12月4日のゴング迎える。
試合開始!
「カーン!」と試合開始のゴング。
両腕をダラリと下げて時より挑発的はパフォーマンスの辰吉、それに対し教科書通りリズムをとりながらガードをしっかり上げて左ジャブを放つ薬師寺。
実は、この薬師寺の左ジャブこそが、両者の明暗を分けることになる。
勝機を分けた左ジャブ
立ち上がりは、辰吉がガードを下げて、挑発的なパフォーマンスを時よりしながら、上下のコンビネーションを見せ、たびたびロープに薬師寺を追い込む場面も見せる。
しかし、薬師寺の左ジャブがラウンジを追うこと、徐々に辰吉の左目を的確にとらえ、中盤あたりには完全に塞がってしまう…。
「網膜剥離だった左目を狙え!」薬師寺サイドの名トレーナー マック・クリハラ の作戦が見事に的中。11ラウンドには、薬師寺のコンビネーションが決まり辰吉が思わずクリンチ。
「効いてないよ!」とレフリーのリチャード・スティールにゼスチャーを見せる場面もありながら、一進一退の魂と魂のどつきあいは、最終12ラウンドまで続き、勝敗は判定へ。
薬師寺勝利
「2対0で、勝者 薬師寺!!!」
三人のジャッジは、一人がドローで、二人が僅差で薬師寺を支持。
いやあ、手に汗握る名勝負!
思わず「こんなに凄い試合は後にも先にもこの一戦だけだ!」と言ってしまいそうになるぐらい私のなかでのベスト・パウンド。
あの興奮から、もう28年!!!
知っている人は、もう一度!知らない人は、これから!
ボクシング好き、格闘技好き、スポーツ好きには是非とも知って欲しい!観て欲しい!名勝負の中のまさに“名勝負”です。試合動画を貼り付けておきます。是非ともご覧下さい(ーにしても具志堅さん、若いですね、笑)↓
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