見出し画像

登山道で落葉かきをしていた方へ感謝の気持ちをつたえたい | 東丹沢経ヶ岳


2021年2月

神奈川県東丹沢にある経ヶ岳(633m)に登った。

小田急線本厚木駅からバスに揺られ30分。
「半僧坊前」で降りると、曹洞宗の古刹勝楽寺(半僧坊)がある。

そこから経ヶ岳への登山道へと向かう。

勝楽寺(半僧坊)山門  神奈川県愛川町

一段と冷込みが厳しいためか、登山者はほとんど見あたらない。

頂上への中間あたりで、登山道を掃除している男性がいた。
ふもとに古刹があることや、「経ヶ岳」という山の名前から信心深い地元の方がお掃除をされているのかしらと思った。

「こんにちは」と声をかけ邪魔にならないようにササッと通り過ぎた。

空気が澄み関東平野がよく見渡せた
奥にはうっすら筑波山が


山頂までは1時間半ほどの行程。
尾根道に出ると、丹沢の奥から吹き付けてくる強風で凍りつきそうだった。

狭い山頂からは丹沢の山々がぐんと近くに見えた。いつもとは違った方向から眺める大山も、また美しい。

ベンチでツナマヨのお握りとチーズ蒸しパンを食べる。こぢんまりとした山頂で一人きりで過ごす時間は、とってもぜいたくだ。


1時のバスに間に合うようにと急ぎ足で下山していると、先ほどの男性が行きよりも大分下った場所を掃除していた。
登山道がきれいにならされていて、踏み跡をつけるのが申し訳ないくらい。
こういう場合、今度はなんて挨拶するのがいいんだろと一瞬考えた。
 
「ありがとうございます!」と、つま先歩きで通り過ぎようとしたら

「頂上行ってきたの?」と尋ねられ、少しお話をした。

その方は、三年ほど前から登山道の掃除をしているのだという。
「ヤマビル対策」なのだそうだ。

枯葉にヤマビルが生息していて、気温が15℃~20℃になると動き出すらしい。乾燥に弱いので、こうして落ち葉を掻き出しているのだそうだ。
地元の方ではなく、少し遠くから来られているようだった。

へえーー ! そうだったのか。
私は、てっきり地元の信心深い方が…なんて勝手に思い込んでしまっていた。

自分はいつも他の土地に出かけて行って、山に登って帰るだけだけれど、こんな風にして丁寧に山と関わっている方がいるのだと、ハッとさせられた。そして、経ヶ岳はそういう魅力のある山でもあるのだと。

実はその時はまだ、ヤマビルに出合ったことがなかった。丹沢でヤマビルが深刻な問題になっていることもよく知らなかった。その後、別の山でヤマビルと格闘することになるのだが…。

あの時もっときちんとお礼を言っておきたかった。改めて、長い登山道の落ち葉かきをしていた方に感謝の気持ちをつたえたいと思う。

※ chebmovskyさんのカラフルで素敵な葉っぱのイラストを使わせていただきました。落ち葉かきと感謝の気持ちにピッタリ!と思いました。ありがとうございました。







いいなと思ったら応援しよう!