11月中旬、紅葉の奥高尾を歩いた。
中央線高尾駅からバスに乗り、終点小仏で下車。旧甲州街道を小仏峠方面に向かって歩いて行く。
カーブした坂道の途中から景信山への登山道へと入っていく。
黄色や紅に色づいた木々が現れてくる。急な登りの登山道に身体がだんだん慣れ、足取りが少しずつ軽くなっていく…。
心のなかで、エンヤの「May It Be」が流れ始めた。
この曲を初めて聴いたのは、5年位前のことだった。
田中陽希さん(徒歩で日本三百名山ひと筆がきを達成された)が登った山を、15分にまとめた番組がNHKで放送されていた。
滋賀県の武奈ヶ岳の回を見た時だった。冬に入る前に3,000m級のアルプスの山々を登り終え、緊張と疲労した身体を癒すように、琵琶湖の西岸にある武奈ヶ岳の美しく紅葉した山道を歩いて行く。
カメラのアングルが陽希さんの足下をとらえ、落ち葉を踏みしめ軽快に歩いていく様子が映る。自分もその道を歩いているような感覚になり、音楽と映像が一体化した忘れられないシーンだった。
そのとき流れていた歌の美しい声の主が誰なのか、なんていう曲なのかいくら調べてもわからず、ずっと探していた。
今年の11月の初めのこと。ラジオからエンヤの曲が流れてきた。
久しぶりの心を癒される歌声がとても懐かしく感じられ、Spotifyでエンヤのアルバムを聴いていた時だった。
映画「指輪物語」で使われた曲「May It Be」が流れてきた。
あ、この歌だ!!
武奈ヶ岳の時に流れていた曲だった。
ずっと探していたのに、案外近くにあったというか…。それからしばらくの間「May It Be」を聴き続けた。
景信山から陣馬山までの登山道を歩いているあいだも、心の中でこの曲がずっと流れていた。
(誰もいない所では 、思い切り口ずさんでいたけれど💦 )