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No.322/オススメの一冊:共感経営 「物語り戦略」で輝く現場

2024.11.17

こんにちは、くのてつです。

自分の読書備忘録も兼ねて、僭越ながら毎週日曜日はオススメの1冊を紹介させていただいています。

今回の1冊はこちら。

⚫︎共感経営 「物語り戦略」で輝く現場
⚫︎野中 郁次郎 (著), 勝見 明 (著)
⚫︎日本経済新聞出版

言わずと知れた野中郁次郎さんの一冊です。

直近では「ワイズカンパニー(東洋経済新報社)」や「野生の経営(KADOKAWA)」も読みましたが、どれも読み応えがあり非常に良質なインプットができた感触があります。

どちらもどこかのタイミングでここで紹介したいと思いますが、まずはこの「共感経営」から自分の学び、感じたことをいくつかピックして整理します。

「パーパス」を履き違えない

二〇一四年に前CEO、スティーブ・バルマーの後を引き継いでCEOに就任したナデラは、「マイクロソフトの存在意義は何か」を問い、パーパスの再発見に向け、企業文化の変革を最優先課題に掲げました。その変革のキーとなる概念として、「共感」を中心に置き、「共感の経営」を提起したのです。

野中郁次郎; 勝見明. 共感経営 「物語り戦略」で輝く現場 (日本経済新聞出版) (p.18). 日経BP. Kindle 版.

マイクロソフトの事業をV字回復させたサティア・ナデラさん。

昨今日本でもパーパス経営という言葉を使う方が増えた印象がありますが、マイクロソフトの規模でそれを実践させている訳ですから凄すぎですね。

ここで論じられているマイクロソフトの取り組みは、見方によれば綺麗事かも知れませんが、実に本質的であり、この実践にこそ成果へつながる道があるように思います。

企業や組織にいると「パーパス」という言葉を勘違いして盾にする方もいます。

きっとそのような組織、企業はこの先生き抜いていくことは難しいのでしょうね。

動態的な「成る存在」へ

人を静態的なビーイング(being)の「在る存在」ではなく、常に何かにビカミング(becoming)する動態的な「成る存在」と位置づける人間観です。固定した存在である「~である」(being)よりも、未完の状態にありながら未来に向かって開かれ、常に生成していく「~になる」(becoming)を重視し、人間を常にプロセス(=コト)でとらえるのです。

野中郁次郎; 勝見明. 共感経営 「物語り戦略」で輝く現場 (日本経済新聞出版) (p.45). 日経BP. Kindle 版.

社会学を学んだ時に、「モノからコト」の消費に潮目が変わったのはTDLが開業した頃だと聞きました。

このモノからコトの変わった要素の中に、ここで語られている「成る存在」大きく関係しているように感じました。

前年踏襲、PDCAのようなよくある在り方は過去を起点にグルグルと状態が改善されたり、エラーが起こったりが回っているように思います。

これが螺旋状に上っていくように前進するからこそ、未来に向かったアプローチできる訳で、それができなければ前進も進化もないでしょう。

PDCAは古いという方も多くいらっしゃいますが、それは未来志向ではないことや、やはりプロセスを見ていない=共感が生まれない状態だからなのでしょう。

未来志向こそ、共感経営を生む大きな要素であると言えます。

同一力こそ経営者の資質が問われる

人は相手に共感し一体感を抱くと、相手の目標が自己の目標と同一化し、達成に向かって強く動機づけられる、と同時に、自発的な自己統制が働きます。同一力による自己統制であるから、誰も人から統制されているとは思わない。組織における人間統制の一つの理想的な形です。

野中郁次郎; 勝見明. 共感経営 「物語り戦略」で輝く現場 (日本経済新聞出版) (p.261). 日経BP. Kindle 版.

ユニクロの柳井正さん、セブンイレブンの鈴木敏文さんなど名経営者と呼ばれる一流の方々のケースが紹介されているのですが、そんな名経営者に共通していることとしてこう論じられています。

単に主体性を重んじる、という単純なことではなく、理念・哲学へ共振共鳴することが求められます。

柳井さんが今年の新入社員へのメッセージを語った動画が有名になりましたが、そこでも理念・哲学に共鳴して欲しいと述べられていました。

全体の中の部分であり独自である、だから「自分」。

この状態が生み出すことができた時に初めてここでいう同一化が生まれてくるのだと思います。

これがリーダーの大きな役割と言えます。

そう考えると果たしてどれだけリーダーが存在するのか・・・。

この本質を自身に問い、実践を積むことは今の自分の課題ですね。

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