『応援される会社 熱いファンがつく仕組みづくり』要約

近年、顧客によるブランド愛顧行動が話題となっている。顧客は商品・サービスの受益者に留まらず、企業やブランド価値を高める存在となっている。こうした応援のスタイル、そしてどのような企業が応援されるのか、研究していく。

顧客の応援の形態は様々である。昔からある声援、ボランティアはもとより、同士による交流、クラウドファンディング、二次創作などがある。これら消費者の応援行動により、企業の評判向上、商品のオススメ、応援消費、ブランド育成といった経済効果が生まれていく。

では、応援されるのはどのような企業だろう。大きく五つのタイプに分類できる。
一つ目は、時代の先鋒として道を切り開く存在への、崇拝的応援だ。iTunesやiPhoneで世界を席巻したアップル、信者的ファンを有するラーメン二郎などが代表される。
二つ目は、手に届きそうな距離感を保つ存在への、愛着型応援だ。地元に根付いたスポーツチーム、横浜に愛される崎陽軒等がこれである。
三つ目は、同じ目標を持ち、顧客と共に戦う同士型の応援だ。選手・ファンが共に日本一を目指す広島カープ、倒産寸前から地元民の応援で復活した岩手県花巻市のマルカンデパート等がある。
四つ目は、自らが楽しむ姿勢を貫く、共感型応援だ。企業と顧客が同一の世界観を持つディズニーランドや、プロレス、ファンにいじられる事を恐れない、ペヤングソース焼きそばの、まるか食品等がこれに当たる。
五つ目は、弱みを見せる事が魅力に繋がる、賛助型応援だ。最初は弱々しいアイドルを応援していくAKBグループ、後発で予算が無いため、特化した番組を作っていったテレビ東京等がある。

こうした応援される企業に求められるのは、ビジネスの領域の明確化、価格競争から価値競争への転換、社内のブランディングを明確化する、企業ブランドのファンになるコミュニティの存在である。
これらは短期的に作り上げられるものではやいが、応援が、今後のマーケティングモデルの一つとなり得る事を踏まえ、各社で考えていくべきである。

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