カーコラム「DOHCエンジンの歴史 Part.1」
ドイツのダイムラーとベンツによガソリンを燃料とするエンジンが発明・実用化されたのが1886年。
それ以来、各国のエンジニアたちは競って高回転・高出力のエンジンの開発に邁進した。
当時の最もポピュラーなエンジン型式はサイド・バブル(SV)式だった。
この方式は、燃焼室の両側面にバルブのためのスペースを突出させねばならず、そのため燃焼室の容積はあまり小さくできなかった。
当然圧縮比も高くできないため、出力向上には不利だった。
そこで登場したのがOHV方式である。
プッシュ・ロッドとロッカー・アームを利用したこの方式は、シリンダーヘッドにバルブを備えているので、少なくとも圧縮比の面ではSV式よりも有利だった。
しかし、エンジンの回転数を高めようとするとプッシュ・ロッドがデメリットとなった。
高回転になると慣性重量が大きくなり、バブルの追従性が悪化するからだ。
そこで次に考案されたのがOHC方式である。
OHC方式は、カムシャフトがバブルに近いので、高回転化には有利だった。
こうしてDOHCが発明されることとなる。
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