ワンマングルメNo.10 「五反田の老舗喫茶店プランタンの "目玉付きナポリタン"にナポリタンの真髄を見た！」

　JR五反田駅から少し離れたところにある老舗喫茶店Printemps（プランタン）。ランチタイムともなると近隣のサラリーマンで活況を呈すこの店の人気メニューはなんといってもナポリタン、しかも目玉焼きをトッピングした"目玉付きナポリタン"である。

　プランタンのナポリタンは、いわゆる昭和風ナポリタン。麺は2.1mmの太麺。茹であげで300gというボリューム感溢れる太麺とハム、玉ねぎ、ピーマンなどの具材を塩、黒胡椒で味付けし、最後に酸味の少ない業務用のケチャップをたっぷり使って仕上げるという極めてオーソドックスな喫茶店ナポリタンのレシピを踏襲している。そしてその上に目玉焼きをのせ、彩りをよくしてのが特徴。

　アルデンテで茹であげられた太麺に芳醇な香りの濃厚且つ甘美なトマトケチャップがよく絡む。

　しっかりとした味付けと300gというボリュームが相まって、ともすれば途中で飽きるのではないかなと余計な心配をしたが、それはまったくの杞憂。強火で炒められた玉ねぎとピーマンがそれぞれ自己主張して口中を楽しませ、細身に切られたハムがそれを補完する。それはまるでケチャップというコンダクターが奏でる味のコンチェルト。

　さらに、キャベツと豆腐を具材としたやや薄めの味付けの味噌汁が箸休めとしての役割を完璧にこなしており、ナポリタンと味噌汁という一見ミスマッチングな組み合わせの整合性を見事に成り立たせている。

　目を楽しませ、舌を楽しませ、そして胃袋を満たすプランタンの目玉のせナポリタン、それはまさにナポリタンの王道を極めた至高の逸品である。

Printemps（プランタン）
東京都品川区東五反田1丁目24-1
03-3449-6645