カーコラム「NARDOを駆け抜けた幻のスーパーカー"フォルクスワーゲン・ナルド・W12 スーパーカーコンセプト"」
伝説のスーパーカープロトタイプとして未だ語りぐさとなっている「フォルクスワーゲン・ナルド・W12 スーパカーコンセプト」。
ジョルジェット・ジウジアーロ率いるイタルデザインが手掛けた流麗なボディに、最高出力600ps/7000rpm、最大トルク63.27kgm/5800rpmを発揮するW型12気筒5998ccエンジンをミドシップに搭載し、最高速度350km/hに達するこのマシンは、 2001年の第35回東京モーターショーの開催直前、南イタリアのナルド・サーキットにおいて高速耐久テストを敢行し、24時間平均時速322.89km/hをはじめとする、6つの世界新記録、12のクラス新記録を打ち立てた。
当時、日本初のブロードバンドカーサイト、Car@nowの総合プロデューサー/編集長として、東京モーターショーの会場で取材と撮影の指揮を執っていたが、フォルクスワーゲンのブースにディスプレイされたこのクルマの姿が鮮烈な記憶となって残っている。
展示車は、ナルドで世界記録を樹立したマシンそのもので、飛び石や異物の衝突により無数のキズ跡が残るカーボンケプラー製のボディカウルが、超高速耐久テストの壮絶さを物語っていた。
「フォルクスワーゲン・ナルド・W12 スーパカーコンセプト」は、市販されることなくコンセプトカーのまま姿を消したが、ナルドでその高性能と耐久性を実証したW12エンジンはその後も熟成され、2002年から発売された最高級セダン「フェートン」に実用エンジンとして搭載された。
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