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ワンマングルメNo.19 「33年ぶりの邂逅、八丁堀の名店 "とんかつ茅"のロースカツ定食」

 茅場町、京橋に隣接する八丁堀。東京駅から一直線に伸びた八重洲通りが新大橋通りと交わる八丁堀交差点の京橋寄り手前約50m、八重洲通りに面した吉半ビル横の新大橋通りと平行して走る裏道すずらん通りを茅場町方向に100mほど進んだ右手に老舗のとんかつ屋”とんかつ 茅”がある。

 この店を知ったのは今から33年ほど前、某映像コンテツメーカーのプロデューサー時代に遡る。

 当時、職場は近所だったこともあり、昼ともなるとランチ目当てで足繁く通った。

 先日、たまたま店の近くで打ち合わせがあったので、昼近い時間だったこともあり、久しぶりに立ち寄った。

 11時の開店時間を少し回った時間帯だったが店内にはすでに先客が3名ほどの先客がいた。そのうち一人はテイクアウトの出来待ちのお客だった。

 とんかつ 茅の店内レイアウトはL字型のカウンター席のみで、テーブル席はない。それは33年を経た現在でも変わりはなかった。L字方カウンターの一番奥に陣取り、ランチのロースカツ定食を注文する。

 カウンター席に座り、懐かしい顔の店主が黙々ととんかつを揚げているのを見ていると、32年前にタイムスリップしたような不思議な感覚にとらわれた。

 デジャブとも言える思い出にしばし浸っていると、揚げたてのロースカツと乱切りのキャベツが盛られた皿と味噌汁、漬物が運ばれ眼前に置かれた。

 衣が黄金色に輝くロースカツが昔のままそこにあった。味噌汁を一口すすり、辛口のとんかつ用ソースをかけ綺麗にカットされたロースカツを一切れ頬張る。カウンターの卓上には、辛口のとんかつ用と甘口のキャベツ用の二種類のソース、そして通好みの岩塩が用意されている。旨味が凝縮された岩塩はロースカツの脂の甘みを一段と引き出してくれる。今回は食事なのでソースだが、呑む時は断然岩塩派だ。

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 薄めの衣をまとったロースカツは、衣はサクッと、中はジューシーでふっくらと仕上げられている。とんかつ 茅のロースカツは良質な揚げ油を使い、匠の技でからっと揚げられているので胃もたれしないのが特徴。

 定食にセットされるご飯の量も充分だが、足らない向きには大盛り(50円増し)、お代わり(100円)も用意されている。

 かつて常連として通った店が今でも元気に営業を続けているのを見るのが本当に嬉しい。

 32年前は、ランチともなると地元八丁堀のみならず、茅場町、京橋、果ては日本橋近辺あたりからもグルメなサラリーマンが押しかけ、店の外には長い席待ちの行列ができたものだ。現在はコロナの影響で客足は減っているように見受けられるが、収束された暁には再び活況を呈すことだろう。

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とんかつ 茅 
東京都中央区日本橋茅場町3-8-12
03-3664-9197



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