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アトランダム私小説「椿ライン伝説1981(仮)」
椿ラインは、大観山頂上近くになるとやや長目のストレートが幾つか点在する。
その一つ、逆バンクのパラボラコーナーを過ぎ、短いストレートの次に来る右90Rを立ち上がった直後から始まる緩くベンドしたロングストレート。
テクニカルコーナーでしのぎを削ったバトルは、ここからパワーバトルへと様相を変える。
12A VS G180WE、グロス130PS(推定実馬力≒115PS)同士のストレート対バン勝負。
橘はこのストレートに勝負を賭けることを決めた。
空力的に優れるSA22Cのスリップストリームに入り、4速6700回転をキープし、オーバーテークのチャンスを待つ。
ミッドナイトブルーの空を、ハイビームのハロゲンランプの光芒が切り裂いた。
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