バッカスの憂鬱「ラングドック・ルーション コルビエールの逸品" CORBIERES Grande Reserve 2010 " 」
" CORBIERES Grande Reserve 2010 "
このワイン、Gilbert & Gaillard (ジベール・エ・ガイヤール)のワイン評価で金賞に輝いた逸品。
ジベール・エ・ガイエールは、これまで20年間に渡りフランスで最も信頼のおけるワイン参考文献としてその役割を担ってきた権威あるワインガイドブックである。ノミネートされたフランス産ワインはすべて同じ厳格な手順を経て試飲される。
試飲の方法はブラインドテイスティングで、試飲するのはジベール・エ・ガイヤールのスタッフチーム。彼らは最大限の的確さを持って100点満点制で評価する。
平均20,000本のフランス産ワインを試飲した中で、5,000本以上にのぼるフランス産ワインが選ばれ、コメントや特徴、給仕についてのアドバイスなどが言及される。
こうしたテイスティングの結果、80点以上獲得したワインのみが金賞を勝ち取ることが出来る。
話を" CORBIERES Grande Reserve 2010 "に戻そう。
生産地は南フランス、ラングドック・ルーションにあるAOC Corbieres(コルビエール)。生産者はレ・カーヴ・ロックベール。
レ・カーヴ・ロックベールは、ラングドック・ルーション地方の南端にあるペイリャック・ド・メール、シジャン、ポルテル・デ・コルビエールの3地区の協同組合が1972年に一つにまとまり誕生した協同組合である。1993年に名称が変更し「レ・カーヴ・ロックベール」となった。
現在、生産者約800人が約2500ヘクタールの畑から年間12万ヘクトリットルを生産。その半分はAOCコルビエールで、AOCコルビエール全体の1割占め、この地区を代表する生産者として知られている。
レ・カーヴ・ロックベールのワインは、「Terra Vinea(テッラ・ヴィネア)」と呼ばれる昔の石膏鉱山を利用したカーヴで樽熟成が行なわれるのが特徴。
Terra Vineaはフランス南部のワイン・ツーリズムの先駆けでもあり、地下80メートルに800メートルも続くカーヴには毎年6万人近い人が訪れる名所である。
さて、このワイン、使用されているブドウ種はシラー、カリニャン、グルナッシュの3種類。ブレンド比率はそれぞれ40%、40%、20%。長期熟成タイプのフルボディ、スペシャル・キュヴェ(グラン・レゼルバ)である。
早速期待に胸ときめかせ開栓してみる。
例によってバカラのグラスにワインを注ぎ、香りが開くまで暫し待つ。
色はややくすんだスカーレットレッド。
テイスティング用のワインが少し開いたとことで、グラスを鼻に近づけると、ブルーベリー、プルーンのアロマを感じる。
口に含むと、まずはピリッとしたコショウ、ローリエといったハーブ系の刺激を感じ、その後に完熟したベリー系の芳醇な味わいが口腔一杯に広がる。
フルボディながら、シャープで洗練された味わいの逸品である。