ワンマングルメNo.64「五反田の裏通りで見つけたタンシチューが美味い意外な店 "バルセロナ"」
五反田。駅前のSONY通りを駅から大崎広小路交差点に向かい、目黒川にかかる橋を渡り、牛タン屋の"ねぎし西五反田店"の角を右に曲がった裏通りの一角ににその店はある。
バルセロナ
スペイン第2の都市の名をいただくその店は明らかに周りの飲食店とは趣き異にしている。
その外見から喫茶店、スナック。そのどちらも正しい。しかし今はデイタイム。店の外に設置された黒板には手書きで本日のランチメニューが。どうやら今日は"タンシチュー"と"海軍カレー"らしい。
意を決して店内が伺い知れない重い扉を開け足を踏み入れる。
やや薄暗い店内は厨房を囲むようにカウンター席が設けられ、その中のシェフ(マスター?)とおぼしき男性がこやかな笑みで出迎えてくれた。
ややとまどいながらもカウンター席に座り、外の黒板に書いてあった本日のランチの一つタンシチューを注文する。
するとシェフがに再びこやかに笑みを浮かべ「海軍カレーとのハーフ・アンド・ハーフもできますよ」と甘い誘惑。
それではということで、ハーフ・アンド・ハーフで注文。
ランチはまず野菜サラダから始まる。単なるキャベツの千切りだが、ドレッシングが美味い。
次に熱々の玉子スープ。これがまた中華風でとても美味。
そしていよいよメイン。眼前に差し出されたのは、なんと一皿の海軍カレー。あれ、ハーフ・アンド・ハーフを頼んだのに・・・。こちらはよくあるワンポーションに半々に盛り分けられたものを想像していたが、この店のハーフ・アンド・ハーフとはハーフの海軍カレーとタンシチューがハーフのボリュームで一皿ずつ出てくるらしい。
早速、その丁寧な仕事から手作り感がひしひしと伝わる海軍カレーにスプーンを入れる。
思った通り完全な手作り。恐らく出汁をとり、カレー粉で仕上げた逸品。そう、これが海軍カレーの原型なのだ。辛さは嚥下した後にカレーの風味と共にやってくる。かつて海上自衛隊で食したものに極めて近い。
懐かしさに浸りながらカレーを完食すると、良いタイミングでタンシチューが眼前に置かれる。海軍カレー同様、御飯の上に黒々したドミグラスソースの中に厚切りの牛タンが潜んだシチューがかけられている。
一口含むと濃厚なドミグラスソースの深みのある味わいが口中一杯に広がる。牛タンはじっくり煮込まれ味がよくしみ込んでいる。牛タンの食感を残しつつ、柔らかく旨味がある。
一皿が結構ボリューミーなので、二皿食すと男性でもかなり満足はず。
食後には本格的なドリップコーヒーがさりげなく出てくる。そこがいかにも喫茶店風。
昼はランチ、夜はカラオケもできるスナックに変身するこの店。その一皿のクオリティはなかなかのものだった。
五反田の裏通りにひっそりと佇む名店を見つけた。
バルセロナ
03-3495-4632
東京都品川区西五反田1-26-9