2024年5月の記事一覧
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エッセー 「酒の文化を知らずして酒を嗜むべからず」
シャンパンを注文する時にバカの一つ憶えのようにDom Pérignon(ドン・ペリニヨン)と声高に叫び、あたかも金持ちぶっている成金どもは、ドン・ペリニヨンという銘柄名がシャンパンを発明したとされるベネディクト会の修道士ドン・ペリニヨンにちなんで名付けられたことなど知る由もなかろう。 また、同じく有名なシャンパンブランドMoët & Chandon(モエ・エ・シャンドン)の創業が1743年で、クロード・モエがシャンパーニュ地方からパリまで船積みワイン(つまりケータリングワイン)にしたのがその歴史の始まりであることなど当然知る由もなかろう。 さらに、同じくVeuve Clicquot(ヴーヴ・クリコ)が創業者の息子であるフランソワ・クリコが死去した後、事業を引き継いた未亡人バルブ・ニコル・ポンサンダンに因みに名付けられたことなど知る由もなかろう。因みに"Veuve(ヴーヴ)とはフランス語で未亡人を意味する言葉。 酒は文化である。ただ呑めばいい、ただ酔えばいいという低脳で下品な輩とは同じテーブルにつきたくはない。 人生の貴重な時間、しかも酒という人類が生み出した最高の嗜好品を嗜む際には、その文化を分かち合える最高の仲間とグラスを合わせたい。 それがセクシーでゴージャス、そして知性溢れる情熱的な女性ならなお最高。 そんな素敵な女性とジェイムズ・ボンドも愛飲する英国王室御用達のBollingerを楽しみたい。
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エッセー「追憶のコリン・マクレー」
偉大なる英雄ジミー・マクレーを父に持つコリン・マクレーは、ラリードライバーになるべくしてこの世に生を受けた生粋のサラブレッド、ラリーの申し子である。 かつてコリンはこう語った「ペダルは何でも床まで踏むものだ。」 コーナーは常に真横。その豪快な走りで常にマシンを限界まで攻め立てた。 リタイアか優勝か、典型的な天才肌のドライバー。 何事にも怯まず、果敢に挑戦していゆく姿勢はまさに"ハイランダー" 、スコットランドの誇り至宝であった。 そのコリンが2007年9月15日、自家用ヘリを操縦中に自宅近くで墜落、39歳の若さで急逝した。 突然の悲報に世界中が悲しみに包まれた。 しかし、コリンの豪快な走りは今でも多くのラリーファンの脳裏に鮮明に焼き付いている。 その英雄譚は永遠に語り継がれだろう、孫子の代まで。
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エッセー 「元天使のつぶやき」
人間が「現世」と呼ぶ「地獄」に堕ちてきて早くも2024年もの時が過ぎた。 いまでこそ単なるアイドル好きのオッサン姿に身を身をやつしているが、今を遡ること2024年前までは光り輝くセラフィム(熾天使)だった。 当時のクライアントであった ”神 ”とギャラの支払いの件でちょいと揉め(笑)、激昂した奴に翼をもがれて天上界から突き落とされて叩きつかられたのがヨルダン川西岸の荒涼とした大地だった。 よろよろと立ちあがり、痛い腰をさすりながら歩いていた時、偶然にもその後のクライアントとなったソロモン王と出会った。 ソロモン王 「You! もしかして天使じゃね?(ジャニさんか!)」 自分 「いててて、、ついさっきまではね・・・。今は失業中、で何か?」 ソロモン王 「OH! You、よかったらうちで働かない(ジャニさんか!)」 自分 「・・・・・・・??」 ソロモン王 「ぶっちゃけ、今魔法とかのスキルある人大募集中なわけよ。You、やっちゃいなよ!」 自分 「これからリクナビNEXTに登録するのもウザいから、まあいいか。そんじゃ宜しく哀愁」 ソロモン王 「OK牧場! そんじゃ決まりね! Youの芸名(?)はベルゼブブでどうよ?!」 自分 「ボボ・ブラジルでもブブゼラでもブルセラでも何でもいいよギャラさえくれれば」 というわけで元天使(業界では' 元天 ' と呼ぶ)のほんの僅かの力を使ってフリーメイソン繁栄の礎を築いてあげたわけ。 そんな昔の話はどうでもよいわ。 この映画「LEGION」、この映画を観た時、懐かしいな〜と思ったわけ。 元クライアントである" 神 " は基本的に飽きっぽい。さらに短気で寂しがり屋で気まぐれ。そして超がつくほど暇。 自分のコピーとも言える「人間」を創り、争わせては楽しんでいる。 でもそれもすぐに飽きる。そうすると大粛清を行いゲームをリセット。そしてまた同じことを繰り返す。 傍から見てて、遊び道具である人間は大変だわな~と常々思ってたんだわ。 大粛清は氷河期と大洪水という手段により過去2回行われたんだけんど、3回目は自分の配下である天使を使うというのがこの映画の設定。 面白い、いいとこついてるじゃん、 わかってるじゃん、というのが率直な感想。俺様も元部下だから"神 "が考えてることは大体推測がつく。 まず、神の全人類抹殺命令に背き、自らの翼を捨ててまで一人人類に肩入れするのが大天使ミカエルというのがいい。 さもありなん、奴(天使は中性である)は優しいのよね~。人間を自分の子供みたいに思っている。 普通やんないよ、天使が自らの翼を捨てるなんて。人間はありがたく思わなくちゃいけんよ。 そして、神の命令を忠実に遂行しようとするのがミカエルの兄弟分とも言える大天使ガブリエル(むかしからこの表記が大嫌いである。正確にはゲイブリエル)というのもいい。 これもまたありそうな設定である。奴は生真面目なのよね~。頑固だから。 この映画、天上界の裏事情にかなり精通した者がシナリオを書いたのではなかろうか。 裏事情はともかく、単なるアクション映画としても高い完成度を見せるこの作品。 すでに公開はとっくに終了しており現在はDVDでしか鑑賞できないが、超お薦めの作品である。 次回作を製作する時にはスーパーバイザーとして参加させてね。コンサル料安くしとくから(笑)。
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ショートエッセー 「メルセデス・ベンツW210型 190Eナルド高速トライアル」
メルセデス・ベンツW201型190E2.3-16(以下2.3-16)は、メルセデス・ベンツ初のコンパクトセダンW201型190Eのスペシャルモデルとして1984年よりラインナップに加えられた。 メルセデス・ベンツは、2.3-16の圧倒的パフォーマンスを世界に知らしめるべく、正式リリース一年前の1983年、南イタリア・ナルド・サーキットにおいてFIA承認世界速度チャレンジを敢行した。 トランスミッションのギヤ比以外は市販車と全くの同一スペックという2.3-16のプロトモデルは、5万kmを平均時速247.939km/hで走り抜き、見事に世界記録を更新した。