「離婚後の共同親権」と東京地裁判決
民法819条
1項 父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。
2項 裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。
と規定されています。
要するに、父母が離婚した場合、どちらかの親が親権者となる「単独親権」の制度を採用しています。
2021年2月17日、東京地方裁判所において、この819条2項の規定が、親権を行使することができる者と行使することができない者を生む点で、差別的取扱いを定めており、平等原則(憲法14条1項)に違反することなどを主張した裁判の判決がありました。
判決では、このような主張は認められず、請求棄却となりました。
(Google検索などで「令和3年2月17日 判決 親権」と検索すると、判決文や大手メディアの記事が閲覧できますので、詳細はそちらをご参照ください。)
法務省の調査によると、G20含む24か国のうち、20か国で離婚後の親権は父母が共同で行使するという制度が採用されているとのことです。
近時、離婚後の共同親権制度の選択的導入については、国会議員や法務省において本格的な検討に入っているという趣旨の報道もなされていますので、今後、注目すべき社会課題のひとつといえます。
離婚後の親権の問題も含め、家族の法的問題は、個人の尊厳や人生に直結する重要な事柄であると考えます。