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コーヒーを熱めで

営業後に近所の蕎麦屋さんで味噌煮込みうどんを食べた。

軽く舌を火傷しつつも、最後まで熱々でいただけるのがうれしい。

急に寒さの精度が上がったこの時期にはありがたい。


味噌煮込みうどんを食べながら思い出したことがある。

「コーヒーを熱めで」という注文。

正直なところ、これはなかなかの難題だ。


開業前に勤めていたお店では、沸騰したお湯を飲み口ギリギリまで注いで温めておいたコーヒーカップに、淹れたてのコーヒーを移し、5秒以内に提供していた。

5秒は大袈裟だが、それぐらい熱いコーヒーが好きな人もいるということだ。


ドリップコーヒーを淹れるときに、シンプルに100℃のお湯を使えばいいというものでもない。

たしかに熱めのコーヒーはできあがるが、湯温が高すぎるとコーヒーの成分が抽出されすぎて、強い苦味と渋みのあるものになる。


淹れたコーヒーを加熱するのも、液体としてのコーヒーの劣化を促進する(加熱しすぎると冷めてくるときに強い酸味が出てくる)ことになるので、なるべく控えたい。


そこで提案したいのが、コーヒーを100℃のお湯で割る方法だ。

もちろん、割られる側のコーヒーは濃くなければいけない。

お湯が入って初めて普段のコーヒーの濃度になるように逆算しておく必要がある。

といっても、難しいことはない。

普段使うコーヒー豆の量に対し、抽出するコーヒーの量を半分にする。

そして100℃のお湯で割る。

以上。

たとえば、普段10gのコーヒー豆で120ccのコーヒーを抽出しているのなら、その抽出を60ccで終えて、100℃のお湯を60cc加えるといった具合。

こうすることで、ドリップコーヒーの後半に抽出される雑味成分をお湯に置き換えることもできる。


ちなみに一般的なドリップコーヒーでは、淹れたてのコーヒーは約60℃。

100℃のお湯で割ったものでは約70℃ぐらいにはなる。

あらかじめ湯煎しておいたコーヒーカップに注げば、熱めのコーヒーの出来上がり。(しかも雑味成分が非常に少ない)

もっと熱いのがいいのなら…あとはダブルウォールグラスに注ぐとか。


コーヒーでお湯で割るのは結構いいことが多いのでおすすめの淹れ方のひとつ。


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