やりなおす力
企画を進めるとき、ついつい斬新なアイデアを提案しようとする人は多い。
唯一無二というのは確かに差別化ができるし、目を引きやすいし、上手くいったときの達成感は大きい。
ただ、そのアイデアが根底にある解決したい問題のためのものなのか、斬新さありきなのかでは価値が大きく異なる。
「俺はいいけど、ISHIOはどうかな?」
これは昨日、毎年11月14日(通称:いい石の日)に開催されるISHIFESを考える会議(毎月14日開催)で主催者の意志雄が放ったことば。
実は先月の時点で自ら決めていたISHIFES2021のテーマを、そのことばを添えて、急遽変更することを発表したのである。
しかも誰に相談することなく、会議2日前に決めたらしい。(そして見事にYAZAWAのパクリである)
前言撤回、ちゃぶ台返し、朝令暮改。
こういった行動を起こすとき、先の言動に縛られたプライドや、それまでに費やしたコストを回収したい気持ちが障害になることが多い。
客観的に見たら、そうした方がいいよね、とすぐわかることですら。
やりなおす力ともいえる。
基礎(最も大事にすること)が揺らいでいては、その後に建設されるマンション完成後に修正することは不可能。
できたとしてもツギハギのような補強ぐらいで、結局のところ根本的な解決には至らない。
建物が完成する前に、やはり一からやりなおすのが、手間ではあるけど一番の近道。
お店の運営についても同様に思う。
新作のブレンドコーヒーを作るとき、テーマなしに社長に試作を提出しても100%却下される。
社長がケーキを作るときも、目指す味わいから離れていれば(僕から見ると、そこそこ良くても)不採用。
面白そうな企画であっても、自分たちが最も優先する「無理のない働き方」から逸れるなら練り直すとか、見送るとか。
企画を考えるとき、それは誰のどんな問題を解決するためのものか?
ついついアイデアありきになりがちだし、投じたコスト回収に躍起になってしまいがちだけど、改めて自分を見直すいい石の日の会議だったと思う。
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