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テイスティングのポイントは飲み切らないこと

最近コーヒーを飲みすぎないように意識している。

とくに新しい豆や、それを使った新作ブレンドを試飲する際はついついカップが進みがち。

飲みたくて飲むならいいけれど、評価しながら飲むので、もはや職業病。


仕事としてコーヒーを評価する際は、コーヒーを飲み切らないことも重要だ。

コーヒーを評価するための項目はいくつかあるので、ひとくち飲んだだけで全てを採点できる人がいれば神の舌の持ち主に違いない。


このコーヒーを評価する「カッピング」においては、コーヒーを口に含んでから吐き出すことをする。

僕はつい、飲み込みがちだけど。


もったいない気持ちはあるけれど、たくさんのコーヒーを評価するためには飲み切らないことがポイントになる。

コーヒーを飲み過ぎると、味がわかりにくくなるからだ。

味覚障害まではいかないにしても、たくさんのコーヒーを飲み込むことは短時間で多量のカフェインを摂取することと同じ。

カフェインによるお馴染みの利尿作用に加え、過度の鎮静作用が不安感を引き起こすので、飲んだコーヒーの評価に自信が持てないことが(少なくとも僕自身にはよく)起こる。

ようするに、冷静な判断が難しくなる。


ワインのテイスティングにおいては、ソムリエさんが口に含んだワインをペッと吐き出す。(もったいないと感じる人も多いと思う)

最も大きな理由は酔っ払って適切な評価ができなくなるのを防ぐため。

たしかに、酔っ払いに採点されたワインに適切な評価がされているとは思えない。

評価の際、コーヒーを吐き出すのはそれと等しい。


目の前にあるコーヒーを飲み込まないのは、もったいないかも知れない。

けれど、適切な評価がされていないコーヒーを扱うのは、さらにもったいない。(おいしさを伝えきれないのと同義)

コーヒーを無駄にしないために、あえて飲み切らないという選択をしている話。


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