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世界は「1+1=3」で成り立っている

お店をやっていて常々思うことの一つが、誰かの手を借りる重要性。

もし今のお店を1人でやることになったら、無理ではないかも知れないけれど、相当難しい。

15分おきに1人ずつお客さんがやって来るのならワンオペで問題ないが、そんな都合のいい話はない。

ありがたいことに最近は2人でもギリギリ手が足りなくなってきたので、週1日3時間、社長の補助をしてくれるお手伝いさんに来てもらうようになってから随分と楽になった。


ときどきケーキの準備が間に合わないまま開店時間を迎えることがある。

「ワンオペよろしく!」と涼しい顔で僕に指示を飛ばす社長。

権力とは恐ろしいもので、立場が逆ならこうはいかないはず。

まあ、開店10分ぐらいなら、オープンとともに満席みたいなことがなければなんとかなるのだけど、ワンオペ指示のある日に限って何ともならない場合が多い。


仕事をする上で、1人いるのといないのとではできることの幅が大きく異なる。

1人ではコーヒーを淹れながら注文を取りに行くことはできないし、お会計にも出られない。

店内に案内したお客さんに水を出すこともできないし、空いたテーブルの食器の片付けもできない。

当然、シンクに山のように溜まったグラスの1個も洗うことすらできない。

書いていて嫌になるが、できないことだらけである。

頭では「そりゃ、できないよね」と理解しているつもりでも、自分の無力さを感じざるを得ない。


もう1人いればできる。

上に書いたことは大体できる。

まるで自分がめちゃめちゃ仕事ができる人間に思えて仕方ない。

2人いれば1人のときの3倍以上のことができる。

まさに「1+1=3」だ。


さらにもう1人いれば多分、自分のことをスーパー仕事できるマンだと錯覚することだろう。

だから週1日3時間はスーパー仕事できるモードだ。

本当に仕事が捗っているし、ありがたいことこの上ない。


実は、お客さんに手伝ってもらうことも多い。

もちろん、来店してくれたお客さんに「お〜い。このポスター貼っといて〜。」なんてタモリさんみたいなことは言わない。

言っても快諾してくれる常連さんは何人かいると思うけれど(笑)

お店側の手が回らないとき、「お願いを受け入れてもらう」ことでお客さんに手伝ってもらっている。


たとえば、飲食を済ませて帰るお客さんが重なるとき。

席は空いていても、テーブルの上を片付けられないことがほとんど。

そんなとき、次のお客さんには「待ってもらう」ことをお願いする。


満席時、飲食もすっかり終え、すっかり会話に花が咲いてしまったお客さんには「次のお客さんのために席を譲ってもらえないか」をお願いする。

もともと滞在時間についての案内は店内に掲示してあるのだけど、自分がお客さんと同じ立場だったら今、どれだけ時間が経ったかは忘れてしまうと思うし。


他にも、コーヒーを提供するときにテーブルの上にスペースを作ってくれたり、

食べ終わったケーキの器を下げるときにわざわざ食器を差し出してくれたり、

帰る前にテーブルの上を片付けやすいように食器を整えてくれたり、

実は色々な場面でお客さんに手伝ってもらっていることは多い。


「1+1=3」となる場面は自分が気づいていないだけで、もっともっとあるのかも知れない。

とにもかくにも、「+1」となる相手が社長であったり、スタッフであったり、お客さんであったりする。(取引業者さんもそうだと思う)

7月の下旬からスタッフを雇い始めてから、「1人でできること」と「2人でできること」の間には越えられない壁があること、日々、お店内外でもたくさんの人に助けられていることを改めて感じた話。


cafe旅人の木での日々のことを書いています。

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