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【#一日一題 木曜更新】 犬のうんこ案件①
山陽新聞の「一日一題」が大好きな岡山在住の人間が、勝手に自分の「一日一題」を新聞と同様800字以内で書き、週に1度木曜日に更新します。ほらいつか岡山在住ライターとして一日一題から依頼が来るかもしれないし……し…?
エアコンの前面パネルの動きが悪くなった。全然使えるし困ってはいないものの、パネルの動作音が気になるといえば気になる。パネルを開いてのぞいてみると、歯車まわりのプラスチックが割れていた。2013年製のエアコン、経年劣化というやつか。
15年以上前、LED照明が出回り始めた。10年交換不要というコピーにひかれてリビングの照明をそれに替えた。3年後の引越しで照明を外したら、カバー留め具のプラスチックが劣化で崩れ落ちて天井に設置できなくなった。LEDが10年発光で頑張ってくれてもカバーがこれでは。保証期間はとうの昔に切れているし、どこに何をぶつけたらよいのかわからない。家電の耐用年数は電気系統と外側カバー、同年数に合わせてくれないか。
で、エアコン。
10年ものの家電だし、修理は金額による。あまりに高額だと、ねえ?メーカーのweb修理窓口経由で町の電気屋さんが来てくれた。でも玄関先で大きなダンボールを抱えたじいさんの姿を見て、うわ、どうしようと思った。10年使用のエアコンをとりあえず見てもらいたかっただけなのに、大きな部品取り換える気満々じゃん。
昨夜遅くに、「明日見に行けますよ」「じゃあお願いします」と会話1ターンで終了した電話、もっと質問すべきだったと後悔した。
ダンボールの上に置かれた修理伝票を盗み見ると、¥18,810と書かれている。ちょっとまて。¥18,000もかかるなんてひとつも聞いていない。まごまごしている間にじいさんは養生マットをふわさ!脚立をターン!と立てて作業に入ろうとしている。
「あの、これ、全とっかえするんですか」
「部品がね、きたからね」
「まずどんな状態なのか、見てもらいたいんですけど」
「10年以上になるとね、部品なくなるからね」
「でも10年使っているエアコンなので、そんなにお金かけて直したくないんです。18000円もかかるなんて聞いてないし」
「じゃあ、やめますか」(じいさんライドオン脚立)
「えっと…」
「出張費と点検料で6000円かな」
「(うげ)部品の交換とかでどうにかならないんですか」
「部分修理はできないねえ。全部取り換えないといけんのよ、これは」
はああああ?と思いつつ修理完了。微妙に会話が噛み合わないじーさん。直してくれたからいいけど。有難いけど。
帰りに犬のうんこは踏んでほしい。
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