抜き身の刀


               俺は抜き身
             誰かも知らぬ奴
           切り捨てていく内に
  誰も   俺の周りから消え  荒野に
  ただ一つとり残された    餓鬼だ
   切れる物も 何一つ    切らぬ
    まま   時間が    過ぎて
         夜露に   濡れて
         錆びて   いけば
        切れぬ    鉄屑に
        落ちる   だけだ
        周りを   見渡し
       枯木や    草さえ
       切って   捨てて
      上には  雲 一つと
      道には  俺 一つだ
     刀身を   剥き出し
    隠す事    包む事
   無しに     俺は
  錆びて
いくのか

#詩
#形容詩


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