野良の子猫
さようならを言うタイミングが分からなくて
ズルズルといつまでもいてしまうのが怖くて
見つからないように隅っこに隠れていたくて
そんな野良の子猫になったつもりでいたくて
許してほしいのです誰か許してほしいのです
人を見ていたいのに人には見られたくなくて
尋ねられてもまともに自分を答えられなくて
本当は反射的に人を爪で引っ掻きたくなくて
そんな野良の子猫になったつもりでいたくて
許してほしいのです誰か許してほしいのです
どうしても他の人のように人には懐けなくて
どうでもいいことでもいつまでも許せなくて
本当は近づいた人に甘えるように泣きたくて
そんな野良の子猫になったつもりでいたくて
許してほしいのです誰か許してほしいのです