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緑色の島風〜沖縄ライフありんくりん〜 vol.01|『月とともに暮らす』(2022年2月号)

オキナワをもうちょっと知りたくなるマガジン「ハイサイ!ウチナータイム!」に寄稿している原稿を転載しています。
最新版はコチラからご覧ください。

イイソーグヮチデービル!
新年明けましておめでとうございます。

今年の2月1日は旧暦の1月1日です。
今でこそ新暦(太陽暦)で正月を祝うことも多い沖縄ですが、昔ながらの旧暦(太陰太陽暦)文化が脈々と受け継がれていますから、新年を2回迎えられるのは嬉しいものです。
新暦の1月がイマイチなスタートだったとしても、旧暦の正月を迎え新たにやり直せるような、お得な(?)気分になります。
2022年新年の目標に行き詰まってしまったという方は、旧正月を境にリスタートしてはいかがでしょうか?

さて…今回は、月の満ち欠けに基づいた旧暦カレンダーについてです。
中国文化の影響を色濃く受けた沖縄には、農耕儀礼や二十四節気に応じた祈願など、現在でも旧暦で行う年中行事が多数あります。
大きな行事は正月、シーミー(清明祭 = お墓に親族一同で集まる行事)、そしてお盆でしょうか。

他には豊漁と航海安全を願う「ユッカヌヒー」(旧暦5月4日)、1年の厄を払う餅作り「ムーチー」(旧暦12月8日)など数々あり、その都度、祖先や神様に祈願し、そして感謝の気持ちをお伝えします。

旧暦は農業・漁業、台風、出産など人の営みに寄り添い、沖縄の暮らしに密着した暦ではありますが、一方で月が見えるのは、どの世界にいても共通のことです。
満ち欠けによって姿形を毎日変える月を見上げていると、人は自然とともにあるのだということを、感じずにはいられません。
朧月に春を感じ、三日月の繊細さを愛で、くっきりと輝く冬の満月を待つ。
深呼吸しながら味わうこの瞬間は、心にゆとりを与えてくれる時間になります。

昨年、旧暦(月の満ち欠け)が一目でわかる便利機能をスマートフォンで見つけました。
「iPhone」のカレンダーに旧暦、つまり「中国暦」を表示させる機能があることをご存知でしょうか?
ちょっとした操作で、新暦と旧暦をカレンダー上に併記できます。

「設定」画面を開き、「カレンダー」⇒ 「別の暦の表示」⇒ 「中国暦」の順で選択する。
これで完了です。
Androidでは、アプリを導入することで見られるようです。

ここ数年、月毎の満月を「●●ムーン」と名称で呼ぶことに注目が集まっていますね。
生活に旧暦を取り入れることで、あと何日で満月かな?とチェックしたり、沖縄の年中行事の日程と照合してみたりと、毎日の暮らしに新しいリズムをプラスできるのではないかと思います。

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