沖縄料理の調味料: キホンのキは 「塩と味噌」 〜塩編
沖縄料理の塩味(えんみ)の付け方とは。
「塩かしょうゆか」と問われれば、「塩」が優先。
例えば、「チャンプルーがひと味足りない。どうする?」な時は、先ずは塩で調味 → しょうゆは二番手、となる。
汁物や煮物など、うま味を味わう料理は特にそう。
「シンプルだけれど優しくて滋味深い味」のコツの一つです。
(鶏のお汁 トゥイヌシルー、味付けは塩と少しのしょうゆで)
ミネラル豊富な、沖縄の塩の出番
沖縄の塩だけがズバ抜けて良いと言いたいわけではないのです。
が、味わい豊かで体にも優しい塩が多いということは言えるんじゃないかと。
塩にナトリウム分以外のミネラルが含まれているおかげで、しょっぱさだけではない味の広がりが加わります。
マグネシウムにはマイルドな苦みがあり、この苦みが料理をおいしくするのです。
また、カルシウムは塩に甘みを、カリウムは塩に酸味を加えてくれます。
(「石垣の塩」HPより)
また、多様なミネラルが含まれているということは、ナトリウム含有量が少なく、いわゆる「塩分摂取量」を減らせるということに。
精製した食塩の塩分相当量が約99%なのに対して、沖縄の塩には75%前後というものも。
カラダの構成要素になったり調整や維持に必要な、マグネシウム、カリウム、カルシウムといったミネラルを、塩からもちょっとずつ摂取できるというわけです。
「マース煮」 に 「スーチカー」、塩が素材を美味しくする
マース煮は塩水で作る煮魚料理、スーチカーは豚肉の塩漬けです。
材料はほぼ塩のみの超シンプルな料理。
なのに味わい深い料理に仕上がるのは、うま味があって素材の味を引き立たせる「ミネラルたっぷりの塩の為せる技」です。
味噌作りに梅仕事に、「てぃーあんだー」を支える塩
味噌作りを教えてくれた伯母、梅仕事を教えてくれた友人、2人とも共通して使っている塩は「粟國(あぐに)の塩」です。
マグネシウムを多く含む塩は熟成や発酵に向いていて、うま味を引き出しやすい効果もあるのだとか。
沖縄出身じゃない2人が、家族のために仕込む味噌や梅に好んで使ってくれていることが、勝手に誇らしい。
沖縄の方言で「手の脂がしみ込むほどに手間ひまかける」ことを「てぃーあんだー」と言います。(てぃー=手、あんだー=あぶら)
愛情がこもった手仕事に、この塩は打ってつけなんですね。
こんな塩セット、見つけました!
「塩って沢山ありすぎて、よくわかんない」
「ちょっとずつテイスティングしたい!」
「料理や食材によって使い分けてみたい!」
そういう方にピッタリ、こんなセットを見つけました。
この中に含まれている「粟國の塩」「石垣の塩」「ぬちまーす」は、私も超お気に入り。
複雑味やコクがあり、お料理に少し足すだけで しょっぱすぎず、でも味の輪郭がくっきりするような、そんな効果を実感できるんじゃないかと思います。
味見をしたり専門家に聞いたり、吟味して選ぶなら
沖縄本島・宮古島・石垣島、そして東京にも、沖縄発の塩専門店があります。
沖縄のみならず日本・世界各国の塩を比べて選ぶことができますよ。
体に優しい塩で、おうちごはんがちょっと楽しくなりますように。