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徒然雲 秋だから・・・『呉春』

昨夜から降っていた雨。

今日も天気予報では雨のはずだったが、厚かった雲がゆっくり晴れていく。

雨で良かったのだけど。


雨が良かったのだけど。




雲の向こうは
必ず晴れ



ワタシの休日。

この秋楽しみにしていた三つの美術展の一つ。

規模はかなり小さいが、良くてよ。


ということで向かったのが、お馴染みの大和文華館


美術館前の通りのハナミズキが鮮やかに紅葉していた。









大和文華館
『呉春』



晴れたがムシムシ暑い。






楽しみにしていたのは、呉春の単独での企画展を観るのははじめてなのと

そもそも、ほぼ初心者レベルでカタログ知識しかなかったので、
この機会に実物をじっくり鑑賞したいと思っていたのです。



呉春(ごしゅん)(1752~1811)は江戸時代に活躍した絵師で、呉服里くれはのさと(現在の大阪府・池田)で春を迎えた際に呉春と名を改めました。他にも、気楽な場などで用いた月渓げっけいの名で知られています。 与謝蕪村よさぶそん(1716~83)のもとで絵画と俳諧を学んだ呉春は、写生を重視して江戸絵画を革新した円山応挙まるやまおうきょ(1733~95)と絵画の技について語り合ったともいいます。一世を風靡した呉春の画風は四条派として広がり、近代の京都画壇にも大きな影響を与えました。

大和文華館HPより



大和文華館の企画展の規模は十分わかっているので
今回も想像通りの展示数、内容だった。


それでも、師匠の与謝蕪村や応挙からの影響を含め
呉春らしい画というものが見てとれたことは良かった。


また、俳諧や謡を嗜み、グルメだったという江戸文化を謳歌した
呉春の画業を垣間見た。




今回心に残った一点。

やはり白梅図屏風だった。

ワタシは画では、桜よりも梅を好むこともあり
梅の枝や小粋な花がいい。





呉春の白梅の花、とても小さいが一つ一つ丁寧に描かれ可憐だが凛としている。

そう、桜よりも、梅の花の凛とした姿が好きなのかもしれない。


そしてこの屏風絵でシビれたのが、素地が琉球の芭蕉布を青く染めたものだった!

芭蕉布なので、少し目が荒めなところに色が入って
細い筋がとても味わい深い質感のバックグラウンドになっている。

色も一色ではなく、淡く碧や蒼の混ざった複雑な落ち着いた彩り。

この素地に梅の枝と白い花が浮き上がり、とても美しく儚くみえた。


いいものみた。





美術館を出ると雨になっていた。


いいね。












いつもの壁
秋模様







大和文華館のミュージアムショップでウロウロしていたら

壁に中野美術館の案内が・・・

池の向こうに見えている美術館だが、行ったことなかった。

今日は開館している、行ってみよう。







豪邸が立ち並ぶ住宅地に佇む。


実業家中野皖司が収集した、日本近代美術作品を公開する美術館。






富岡鉄斎
ナイス!




ごめんでござる




靴を脱いでスリッパに履き替え入館。


貸切。



いつも対岸の大和文華館から
この赤い椅子が見え
気になっていた




上階は洋画。
下の階の日本画コーナーへ直行。








渋い







得意の大量の賛
と思ったら・・・
般若心経だった





これぞ鉄斎!?
賛が、らしい





この三点だけでも満足!









茶室から







休憩



池のはずが・・・
川になっていた





ということで、小ぶりな美術館の二本立てでございました。


ちょっと気持ちザワザワだったので、しっとりした樹々の中を歩いて
静かに美しいもの愛で心落ち着いた。
















日本画、だいぶいろいろ観てきて自分の中に染み渡ってきた。

そして、やはり鉄斎ワールドがスキということ。

そこに行き着く。



この秋、もう一つ観ておきたい江戸の画人がいる。

楽しみ。





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