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徒然雲 放蕩雲の里帰り

お正月以来の約半年ぶりに横浜の実家に帰ってきました。

半年・・・この時の流れの速さに驚きと、やはり少々の焦りすら感じる
5月の後半。

大荒れの天気予報、あ〜ぁな気分で仕事後夜7時過ぎの新幹線に乗り込む。


しかし結果、滞在中ほぼ傘を広げることなく終わりました。


今回の帰省は特に何か大きなイベント(法事や何や)があったわけではないが
そろそろ母に顔を見せておいた方が・・・

案の定? 「夜遅くなりますよ」と何度も伝えておいたものの
マンションの廊下からワタシを今か今かと待ち構えていたらしく、
エレベーターを降りると・・・へへっと笑う母。

雲「もう〜!徘徊してると思われるよ!」

子供のいないワタシは残念ながら親の気持ちはわからず・・・


翌日は、母とぶらぶら散歩しながら買い物に行ったり、
ずっと気に入らなかった髪を、ずっと通っていた美容院で直してもらいに行ったり。
でも担当者曰く、こんなもんじゃない?ということでハサミは入れず、ヘアマニキュアだけになる。


そして二日目、今回母と行こうと計画したのが三井記念美術館での企画展とランチ。

そんな話を姉にしたら、珍しく参加するとのことで母娘3人でお出かけ。

久々の日本橋。

地下鉄三越前駅からすぐ。


日本橋三井タワーアトリウムに入口



三井本館7階に美術館はあります。


エレベーター
クラシック!


重要文化財に指定されている三井本館。

重厚でエレガントな建築。


美術館は2005年10月に中野区にある三井文庫別館を移転されたとのこと。

名前はよく見たことがあったが訪れたことはなかった。


エレベーターを降りると鹿殿がお出迎え。


『嶺』
池田 勇八作
西麻布の三井八郎右衞門邸の玄関脇に置かれていた



今回の企画展

『茶の湯の美学』 利休・織部・遠州の茶道具


並ぶ名前だけですでに想像がつく・・・侘び寂びの美の世界です。





三井家所蔵の名品、名作がずらりと勢揃い。

茶碗、茶杓、釜、軸、

道具でありながら、それらに込めた美学。
それを侘びや寂びと名付けて、美しいものと承認されたことに
日本人の美意識を見た。

もし仮にこれらに美学を見出さず、芸術、美術品と位置付けなかったとしても
自分は好きだな、と思うものを今回記録。



黒楽茶碗
長次郎作



黒楽平茶碗
長次郎作



黒大棗




そう、やはりに心惹かれます。




そして今回改めて良いと思ったのが、古伊賀。
今まで意識して見たことがなかったのか、記憶にない古伊賀の焼物。

これはジブい、好きですわ。


伊賀耳付花入
銘業平




その他、遠州の茶碗も素晴らしいものがあったり
国宝の志野茶碗なども展示。



最近の文字の沼にどっぷりの身としては、軸もかなり多く展示され嬉しい。

その中で二点記憶に残したいもの。





和歌の意味がステキ



全く馴染みのない和漢朗詠集、書画を見るようになってしばしば登場。

雲紙、初めて知りました。素敵。




そしてこちら・・・・






なんと言えばよいのか・・・

この一幅がワタシに利休の美学をすべて投げかけられたような。

ワタシの乏しい表現力では述べられないが、心穏やかでは観られず
キューッと胸が締め付けられる想いがした。




人生七十 力囲希咄 吾這宝剱 祖仏共殺 
提ル我得具足の一太刀 今此時そ天に抛


人生七十にして悟るところあり、侘茶とは凄いものである、この侘茶の道を武器として天下に問い、雄飛せよ



利休に関しては様々な見方もあるかもしれないが、
少なくとも後世に残る美学と哲学を残したのは確かである。

ワタシはシンプルにその部分だけを学び鑑賞したいと思う。


生きる武器になる道、探そう・・・・そう思った。





その他、大好きな織部の美品逸品、遠州の『高取面取茶碗』など素晴らしいものを
観ることができました。


美しい茶道具を観にきたが、美しい最期を観にきたようでした。





美術館を出て、ランチには少し時間があるので
アイスクリームが食べたい、という母にアイス探し。

お隣、三越の地下で美味しいアイスを食べ、移動。




『熈代勝覧』絵巻
200年前の日本橋の様子




はじめランチは日本橋なのでこの辺りか、築地にでも行ってお鮨と考えていた。

前日に母が「中華もいいな〜」とつぶやいたので・・・
さてどこにしよう!?
もちろんネットで調べれば色々出てくるが、その手の情報だけで行くのは苦手。
どうせなら行ったことあり、また行きたいと思うところが良い。

記憶をフル回転〜〜

そうだ、あそこが良い!

場所は戻る方向になるが、こんな天気(いつ大雨になるか)なので
家に近づく方が良い?

銀座線に乗り数駅、外苑前下車。

徒歩数分にあるお店。




以前一人で入り、お料理はもちろん雰囲気がとても良かった。

礼華 青鸞居

礼華



お料理は中華というかヌーベルシノワというような感じ。

たくさんは食べられないという母なので、コースでなくランチセットに。

美味しく頂きました。

美味しいお店が山ほどある東京、行けるお店は数しれている。
あちこち食べ歩くよりも、気に入ったところについ行ってしまうが、
それでいいのかなと最近思う。

空間もサーブも洗練された、大好きなお店の一つ。


母も大満足でよかった。



お店から青山通りへの
パサージュ





別のお店でお茶をし、そろそろお疲れの母を姉に託してワタシはちょい歩き。


渋谷までぶらぶら歩いた。


表参道の交差点
あっ、角の建物無くなってる!





骨董通り






青山界隈、東京の中でも大スキなエリア。

他の東京エリアをウロウロしいても、結局ここに戻って食事やお茶をしてしまう。




青学過ぎたあたりから渋谷の空気が近くなり・・・苦手。


宮益坂
この辺りから空気が一変



東京は広く、下町、繁華街、オフィス街、ショッピング街、住宅街と様々。

その中でも本日の日本橋界隈の大人の街感と青山界隈の洗練された落ち着き感が
特に好きなエリア。



そんなこんなの久々の東京散策でした。

お天気もギリギリセーフ。

実家へ駅からの坂道を上がっていたら、ものすごい強風が吹き荒れ出し
追い風でちょっと押してもった・・・笑



正統派





色とりどりの紫陽花をあちらこちらで・・梅雨も近い街を歩いた。



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kumokichi
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