あをによし やまとの谷の 夏化粧【岡田谷の半夏生】 奈良歩き 《御杖村 神末》
何で見たのか、とてもキレイな白い植物が一面に広がる写真。
そして『半夏生』という名前が印象的で
これ見たい!
行くぞ!
調べてみると御杖村にあるという。
御杖村、遠いということは知っています。
前職でお客様が「御杖村から」や「曽爾村」からというと
スタッフは「それはそれは遠いところから、ありがとうございます!」と
驚いていたので、橿原からはかなり遠いという認識はありました。
いつものごとく大した予習はせず、とにかくアクセスだけ調べて突撃。
近鉄榛原駅からバス。御杖村のホームページにわかりやすいバス便情報があり、
その通りのスケジュールでというより、ほぼ一つしか選択(乗り継ぎの関係で)。
榛原駅からのバスはワタシの他にもう一人女性が乗っているだけでした。
ハイキングという出立ちではなさそうで、やはり10分後ほどのバス停で降りられました。それ以降はワタクシの貸切バス。
奈良に来てたまにこういうことあります(笑)。
天川に初めて行った時もそうでした。
乗客一人のバスは身軽に?!山の奥に入っていきます。
ちょいちょい国道から外れ民家の間の道を通るのですが、それは大きなバス一台やっと通れる、民家の軒先に当たるんじゃないかという道をゆっくり抜け、また国道に出るの繰り返し。
乗り換えのバス停に降りると、次のバス(コミュニティバス)が後ろに待機していました。乗り込むと、ご年配の女性の先客が。
運転士さんに「えっーっと」と言い出だすと「はんげしょう?」と
「はい!はんげしょう!」
誰もいなかったので少々心配でしたが、ちゃんと情報通りと安心?!
先客の女性はいつものカラオケの会に行くとのことで、途中でお仲間が乗ってカラオケ会場の近くで二人は下車。
また貸切で、運転士さんはずーっと半夏生のこと御杖村のことなどなどお話ししてくださり、楽しく目的地につきました。
民家の間の細い道を進むとゲートがあり、開けたら閉める案内。
杉の木立の道を進むと、すぐに広がるのがトップ写真の光景。
もともと水田だった個人の土地で、半夏生を植えそれが増え(増やし?)
一般にも公開してくださっているという場所。
何かの写真で見た通りの景色。
棚田三枚分ぐらいにぎっしりと黄緑と白が敷き詰められ、
ぐるっと一周できるようになっています。
これが半夏生。
満足。
『半夏生』なんとも言えない美しく儚い響きにワタシは惹かれました。
さだまさしの歌か小説のタイトルにありそうな。。。
暦七十二候の一つとのことですが、知りませんでした💦
二十四節気はカレンダーなどにも記載があることが多いので、馴染みがの名前が多いですが。。七十二候は。。。
一覧を見ましたが、やはり『半夏生』がきれいな名前。
先日の茅の輪くぐりの『夏越の大祓』、これも好きな響き。
今年の『半夏生』は7月2日(だいたい毎年2日あたり)でした。
訪れたのが6日でしたので、やはり暦通りに咲いて(色づいて)います。
ちなみにこの頃に降る雨を『半夏雨(はんげあめ)』というそうです。
あまりキレイじゃないわ。
でも大雨になることが多いと、まさしくそうです。
初半夏生を満喫し、先程の巡回バス待ちに少しぶらっと散歩。
先程の運転手さんが教えてくださった、三峰山。
次回はここを登ろうと決めました。
霧氷が有名ですが、まずは夏山から。
御杖村と伊勢本街道
御杖神社にもお参りしたいと思いましたが、そこまでの時間はなく
バスの時間に(これを逃すとえらいことになるんで)
今度は、おじいちゃんお一人が先客にいらっしゃいました。
先程の運転士さんに「半夏生」の報告。
「きれいでした!」
巡回バスなのであちこち回ります。また色々案内してくださり
ワタシ専用観光バス状態(笑)
運「ちなみにここが私の家です!」という特別案内も。
先客のおじいちゃんは家の前で降りて帰られました。
運「さっき話した温泉の帰りのおっちゃん」
「あの家で一人や」
そう、この巡回バスは村のお年寄りの貴重な足であり
見守りバスでもあるのでしょう。
楽しい巡回バスツアーも終わり、また次のバスの乗り換えへ。
親切で愉快な運転手さんでした。
乗り換えのバスまで30分ほど時間があったので、近くの東屋のベンチで曽爾の景色を見ながら、食べ損なっていたおにぎりを頬張り
曽爾、御杖と同じく奈良の秘境?!
帰りの榛原行きのバスは、またしても貸切。
しかも先程の女性が最後に乗ってこられて「ん?デジャブ?」的な
感覚で駅まで二人客。
御杖村まで『半夏生』だけを見に行った贅沢な小旅でしたが
復習はたっぷりしましたし、また次の目的や計画もできたのでよかった。
車でビューっと行くのも時間的に合理的ですが、
時間をかけてバスを乗り継いで、ゆっくり景色を見たり
地元の方の話を聞いたり見たり調べたり迷ったり。。
そんな旅が好きですね。
バスの時間に縛られるのも仕方なし!
さて、そろそろ暦は『温風至(あつかぜいたる)』ですわよ。