見出し画像

あをによし ならを西から見守る禅の寺【海瀧山 王龍寺】

あんなに降ったのがウソのように、翌日には雪はすっかりなくなり
気温もぐんぐん上昇。

朝の空気もキーーンとはしていない。

そんな中、以前から気になっていたお寺へ行ってきました。

今回降り立ったのは近鉄奈良線の富雄駅。



富雄や学園前は高級住宅地も立ち並ぶところ。

なんとなく雰囲気も奈良っぽく?!ないような。

電車を降りる時、乗ってくる紳士のマスクはLouis Vuittonマーク(笑)


富雄といえば、あの富雄丸山古墳が今熱いですね!
改札を出て左が古墳方面、ワタシはその反対の右へ進みます。

まずは正面の富雄川を渡り、川沿いを北へ。


富雄川


この辺りもたくさんの遺跡、史跡があるエリア。

ただ、南(飛鳥エリア)に比べて、かなり開発されているので古代の雰囲気はなかなか残っていないように見えます。
重要な歴史的背景がある場所なのは確かでも、なかなか妄想しにくい現在の街並み。



なかなかヤンチャそう



今回目指すのは王龍寺というお寺。

以前、歩きの先達中田さんの記事の中に登場したお寺。

その佇まいと、なんといっても黄檗宗の禅寺ということに興味を持ち
訪れたいと思っていたのです。

この日、王龍寺だ!
と降ってきました(笑)

お寺のホームページを見ると、飛鳥カンツリークラブ(カンツリー?笑)の中にあると。

ということで飛鳥カンツリークラブを目指す。

富雄川沿いを北上しながら、信号を待つタイミングで珍しくGoogleマップを確認。
おっ、ちょうどこの辺りを曲がればよさそう!

左に西の山に向かっていくが、そこは至って普通の住宅街。


ごみ集積場所の横に道標が!


あってる
一安心



あっち





雲近し




途中から車道に出ると、ゴルフ場が見えてきた。





道の両脇にコースが広がる。

ゴルフを一度もやったことないので、ゴルフ場というものにあまり縁がないが、
広くてキレイですね!




今年は本当に山茶花が
よく咲いていた











両脇にゴルフ場を見ながら車道を進むと、石碑とその奥に山門が見えた。






いい予感




山門をくぐり、その先に伸びる石段の道。

これこれ!




開けますように



ということです








最後の急な数段以外は、なだらかな階段で少しずつ登っていきます。


トントントン
ツーーー
トントントン
ツーーー















海瀧山 王龍寺

創建は奈良時代に遡り、聖武天皇の勅願で建立された古刹。

江戸時代に大和郡山藩主になった本多忠平によって黄檗宗の寺院として復興・創建し、菩提寺としたのでした。

開山は、梅谷禅師。

本堂に鎮座するのは石仏十一面観音立像
建武3年(1336)の作になり、南北朝時代になる。

そのお隣に不動明王立像は文明元年(1469)

どちらも彫られた年月が刻まれているという、かなり珍しいことのよう。


本堂の奥に岩に彫られた仏様を拝むが、暗闇にわずかな光でうっすら姿を確認できるようなできないような・・・

木戸の枠に鼻をくっつけてじーっと拝見、するとだんだん暗闇に目が慣れてきたのか、石に彫られた姿がだいぶはっきり見えてきた。
不動明王さまがはっきり見えました。







なぜ黄檗宗が気になるかと言いますと、以前も記事にしましたが
実家の菩提寺が黄檗宗のお寺でして、その流れで参詣した京都の黄檗宗大本山
萬福寺がとても好きです。

ということで奈良の黄檗宗のお寺にもぜひ訪れたいと思っていたのでした。



昨日、Kou TSUCHIYAさんも萬福寺をご紹介されていてビックリ!

そうなんです、いつも静か(笑)
でもそれがいいんです!
どうかインバウンドなどでガヤガヤしないことを願います。


そんな大陸色豊かな個性的な萬福寺のイメージが黄檗宗にありますが、
実家の菩提寺も、こちら王龍寺も全くそんな感じではありません。
普通と言いますか・・・普通です。
普通に檀家のために静かに厳かに営まれている、という印象。

王龍寺は建造物的には、円窓の様子に少し大陸的要素が見てとれるぐらいでしょうか。




大黒堂につづく石段




吉村長慶
ならまちに生まれた奇豪

吉村長慶 
初めて知りましたが、ちょっと面白そうなので改めてちゃんと調べて、いつか記事にしたいと思います。

先程の、『あっち』の道標もこの方の寄進のものだった。


大黒堂から降りてると・・・


こんにちにゃん

あまりに可愛すぎて、しばし遊んでもらいました。


いったる



ちょっとグリーンがかった



ゴロンした後の頭



「もっと撫でろ」
「御意!」



🐾




バックニャン





メロメロ



またね。










境内をうろうろしていると、本堂の後につややかな光が見え行ってみる。





なるほど!

これが磨崖仏の素材?!の岩

この岩に掘り込まれた仏様たちで、岩から切り離され本堂内に納められたようです。






山を下ります。






山門横に
水車?




新緑の季節が美しいよう





またゴルフ場の間を通って戻ります。






ゴルフ場内の池に・・・



足で漕ぐやつではありませんよ
本物




白鳥の舞




逆立ちも










結局、同じ道で富雄川まで戻ってきて、行きとは反対側の川沿いをまた富雄駅に歩いた。



樹々の枝に芽吹きが始まるのを見た、古刹参詣となら散歩でした。




【今日のおみや】

大きな松ぼっくり






いいなと思ったら応援しよう!

kumokichi
いただいたサポートは古道活動に使わせていただき、歩いた記録をお伝えしたいと思っております。よろしければよろしくお願いいたします。