シルバー人材日記「物忘れと大谷」2024/9/20
2024/9/20 金曜日
18日の水曜日に見守り歩きと施設施錠の仕事をして、翌日の木曜日がカルチャースクール(写真者文章講座、シニアのためのAI講座)だったから、疲れがたまっていたし、記録を達成した大谷の試合(録画)を観ながらボーッとしていたらスマホが鳴った。午後1時15分だった。
スマホの番号表示を見たらシルバー人材センターからの連絡。「何だろう?」と思いながら「はい」と意識して不快そうな声で電話に出ると、向こうからも不機嫌そうな声が聞こえた。不快と不機嫌の対決?
「ワタナベさん、今日は1時から見守り歩きでしたでしょ?」
「ん・・・どういうことですか?」
「今日は午後1時から見守り歩きですよ」
「え!そうでしたっけ?」
「そうですよ」
「ん?」スケジュールを確認して確認して驚く。
「ぎゃ、やべぇ!(僕は67歳ですが言葉遣いが悪いのです)」
「ああ、ごめんなさい!どうしよう?」
「すぐに出られますか?」
「ああ、はいはい」
「じゃあNさんにどこかで待っていてもらいますよ、どこがいいですか?」「ああ、それじゃ近くの公園で」
「わかりました、Nさんに伝えます」
「あ、よろしくお願いします。Nさんにはちゃんと謝りますから」
「ああ、そんなことはいいんです、じゃあ」
慌てて保冷剤チョッキ(背中、両脇に保冷剤を入れます)を着込んでバタバタバタと早足で公園に向います。「気をつけてね」かみさんが不安そうに見送っています。
100メートルほど歩いて自動車の往来が激しい国道を渡ると(やってはいけません、信号を渡りましょう)Nさんの姿が見えました。手を振って走り寄ると、Nさんは黄色いチョッキを着ています。げげ!チョッキを忘れた。保冷剤入りチョッキを忘れなかったのに肝心の黄色いチョッキを忘れるとは!
「Nさん、本当に申し訳ありません。今日はまったく忘れちゃってて、なんとお詫びをすればいいのか・・・それにね、チョッキを忘れちゃった」
「忘れるのはよくあることだよ、気にしないでいいけれど、チョッキはダメだよ、家近いんだろ? 戻ってチョッキを着てきなさい」
「ああ、はい、本当に申し訳ありません」
Nさんと別れて自宅へ向います。これは絶対にやってはいけませんが、再び自動車が盛んに行き来する広い国道を渡ってかみさんに電話します。
「ああ、俺、わりぃ、チョッキを忘れた、戻っているからそこまで持って来てくれる?」
バタバタと走って、自宅近くまで戻ると、かみさん姿が見えたので手を振って「わりぃわりぃ、ごめんな」と言って、チョッキを受け取ってNさんが待つ公園に戻ろうとしますが・・・。
かみさんを見ると、不安そうに僕を見ています。急いで来たらしくてスリッパ履きだったので危険を感じ、転倒したら危ないと思い「危ないから早く戻って、チョッキありがとう、ごめんね」と追いやるように手を振ります。かみさんは不安そうに見ていましたが、納得したように戻っていきます。
またまた自動車の往来が激しい国道を渡り(絶対にやってはいけませんし、この時は着ていませんが、黄色いチョッキを着たら、地域の目があるので、告げ口されて僕はクビになってしまうかもしれません。でもまだチョッキを着ていなかったので・・・そういう問題ではありませんがね)Nさんが待つ公園に向って早足で向います。
公園に着くとベンチに座るNさんが見えたので意識して走り寄ります(誠意を見せないとね)。Nさんの隣のベンチに座ります。
「急がなくていいのに・・・」ってNさんは呆れた顔をしています。んで真面目な顔をして「あのさ、今回はワタナベさんの連絡先がわからなかったからシルバーに電話したんだけどさ、本当は、あそこに知られることなく仲間内で済ませたいんだ。あそこに知られると面倒だからね」
「ああ、そうですね、ごめんなさい」
「だから電話番号教えといて」
電話番号やメルアド(何か古いな)は仕事相手にしか知らせないことにしていますが、Nさんも仕事仲間だし、面倒が起きないように親切心から言ってくれてるんで番号を教えることにしました。
「あ、はい、いいですよ、僕の電話番号は・・・」
「あ、うん、わかった。今かけるから、俺のも登録してね」
「はい」
Nさんは、スマホではなく、携帯電話(僕はガラケーっていう名称が嫌いなのです)を使っています。銀色のボディの携帯電話に僕の電話番号を登録するとパチンと折りたたんで、フーッとため息をついてから、
「大谷凄かったね。3本もホームラン打って、50・50以上達成しちゃってさ・・・」と心からの笑顔で話しだすのでした。
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