文学フリマに初めて出た! 〜出店を振り返る
はじめに。
文学フリマ(以下:文フリ)とは、読まなくなった既存の古本を売る会というわけではなく、
プロや同人作家が自分の思う『これぞ文学!』という作品を創作し、発表・販売する場のことです。
文学だと思うのであれば媒体は小説に限らず、音楽やゲーム、小物などもOKです。
早い話が、南雲は文学フリマ東京38(2024.5.19)に初出店しました。
即売会初出店。すごいね。
つい一年前なら考えられなかったことでした。
南雲のブース【く-43】『くもあかり出版』に立ち寄って頂いたみなさま、ありがとうございました。
お世話になっている編集部の方にもご訪問いただいて望外の喜びでした。
名刺を頂いたのち「スッ……」と出していただいた編集部ロゴステッカーを受け取る瞬間が忘れられません笑
発端
どういった経緯で文フリ出店をすることになったのか。
南雲がBL創作小説を書いていたことは#自己紹介で話しましたが、
創作仲間の中にはBLオンリーの同人即売会『J.GARDEN』(通称「J庭」)に出店する方が多くいらっしゃり、『南雲さんJ庭出ないの?』と言われることが多々ありました。
自慢ではないけれど私はマルチタスクが超苦手で、相手から言われた一言に一時間は考え込む、みたいなことを平気でする人間です。
そんな人間が、
・本を作りながら、
・お店の申請をし自ブースの宣伝をして、
・決められた机の寸法からはみ出さないようにお店のレイアウトを考え、
・当日は本を売りさばきながら、
・直接お金のやり取りをする
という同時並行をどうにもこなせる気がしませんでした。
接客は昔バイトを半日でやめたり……。
なので即売会出る出ないの話になると「いやーっ、あはは! まずは一般参加ですかねェ!」なんて言って笑ってごまかすこともしばしば。
しかしそこに現れる救世主。
創作仲間の方に文学フリマへ作品を委託したことをきっかけに、仲のよい別ジャンルの創作仲間さんから
「私、売り子(当日スペースで本を売る役目)やりますよ」
とお声がけいただきました。
「え、マジすか! 自分、本作るので! それ以外全部まかせていいですか!」
丸投げというやつ。
売り子さんを得たことで、喜び勇んで即売会参加をその場で決めた南雲は、自分の作風からしてJ庭より文フリがよいだろう、という理由で文フリを出店の場に決めました。
文フリまでにやったタスク
あとから振り返ってみるともちろん、『本を作るだけ』というわけにもいかず。
文フリで行った工程はざっくり以下の通り。
【運営連絡系】
・文学フリマ出店申請
・出店者情報の記入
・Webカタログの準備
・入場者証の管理
【自力でやる系】
・本作りx3冊+無料配布本(ここもかなり細かい工程がある。別項で記載)
・SNS告知
・販促用画像の作成
・金銭/売上管理
・お品書き/ポスター制作
・進捗管理
【当日とその準備系】
・当日に使う道具の準備と買い出し
・レイアウト予行練習
・お釣りの用意
・搬入搬出
・レジ接客
やることが……やることが多い。
結果、自力でやる系を南雲、当日とその準備は売り子さんにほぼ丸投げ、運営連絡系は手分けしてやりました。
一人じゃ絶対パンクしてた。
ちなみに売り子さんとのコミュニケーションツールにはNotionを使いました。
タスクをこちらで作り、メールでページを共有し、担当を振り分けて進捗を管理するような形です。
文フリ出店に向けたあれやこれやは、他の方のブログで探す事ができると思うのでそちらに任せるとして、
今回は出店して得た南雲個人の気づきや次回へ活かせそうな点について備忘録を付けておこうかと思います。
出品本のジャンルについて
統一マストとまでは言わないが、出す本のジャンルはある程度統一したほうが親切だと、出店してみて感じました。
文学フリマで会場に割り当てられた売り場のことを【スペース】や【ブース】等といいますが、
このブースは自分が定めた代表作のジャンルでざっくり振り分けられます。
文学フリマで一般参加する方=買う側は、配置されたジャンルを参考に、カタログを見ながら当日買う作品を決めていく事がほとんどで、
ジャンルであたりをつけて行ったのに、実際に売られている本は目当てのジャンルじゃなかったというプチ悲劇が起こりやすかったです。
今回南雲は新しく3冊の本を出品しましたが、ジャンルは
①R18BL
②一般文芸寄りの全年齢BL
③Web再録掌編集(SF、ヒューマンドラマ、ミステリ、ボーイズライフなどジャンルごった煮。)
とまったくもってとりとめのないジャンル構成に。
立ち止まって本を覗いていらっしゃる買い手さんの反応を見るに、
やはり普段触れ慣れていないジャンルには食指が伸びにくいものだと思います。
ジャンルは特化したほうが選ぶ側にストレスが少ない。
(予想していなかった本と出会うことを楽しみにしている人にとっては、あまり気にならないところかもしれません。)
私の周りには、元々普段から書くジャンルが一貫している方か、ジャンルそのものをねじ伏せる作家性を発揮する方が多いので、出店ジャンルに迷うことはもしかしたら少ないのかもしれないですが、
ジャンルが曖昧、というか雑食(偏食?)の南雲が特別抱えているネックっぽいです。
次回は多少、ジャンルにまとまりが取れるようにしたいです。
※※お知り合いとスペースを隣接させたい場合はその限りではない※※
無料配布本について
買っていただく本とは別に、無料で配るペラ紙1枚本や、折り本などを無料配布本=無配といいます。
今回南雲は、
・ブースに立ち止まった方へ自己紹介がわりに配る
・買ってくださった方におまけとして添付する
という形で配布しました。
しかし、、、
配っていって気付くのです。
「これ……このまま配ってたら、あとから買った人につけるおまけ、無くなっちゃわない?」と。
今回の本の総刷り部数が40部を超えているのに対し、
無配の刷り部数は30部。
ただでさえ購入者以外の方にも配布しているのに、
そもそも買ってもらった本におまけとして付けるのであれば、本の総刷り部数より多く擦らないと、あとから買った方におまけを付けられないことに……。
数が合わなくなったことに出店後半で気づいた私は思わずその場で笑いました。
名刺について
私は当初即売会で名刺を付けることに懐疑的と言うか「本の奥付にQRコード貼ったり、無配に連絡先を書けばいいのでは……」と必要性を感じませんでした。
でも名刺はあったほうがよかったかも、と後から思いました。
・立ち止まった方全員が本を買ってくださるというわけではない。吟味の時間が存在する。
・ブースに立ち止まった全員に無配を行き渡らせるのは、ハードルが結構高い。
・新刊が売り切れたら宣伝手段が詰む。
・購入していただかなくても、Kindle他や商業本など、ブースに出していない本を宣伝する媒体に名刺があると便利。
さいごに。雑感
名刺とは話が変わりますが、
当日は売り子さんがシールやイラストをコラージュした自作のサンクスカードを作ってきてくださいました。
購入者特典として配布していたのですが、これがとても大好評で、本を買った方にサンクスカードを選んで下さいと言うと、高確率で「わぁ!」ってなってくれました。
歴戦戦士顔の買い手が一瞬でちい◯わに。
そんな感じで反省点交えつつ、文フリ出店そのものは大変楽しく終えられました。行きよりも帰りの荷物が増える点を全く想定しておらずあたふたしたのもいい思い出。
そして頂いた差し入れが全部美味い。みんなセンスの塊。BIGLOVE。
改めて当日来てくださった方々、隣接してくださった創作仲間のみなさん、そして売り子さん、本当にありがとうございました。
出品作品の一つはboothで事後販売しております。
この記事を執筆時点で在庫残り4冊です。
長くなってしまったので、
次の記事は本作りについて書こうかな、と思ってます。
おまけ:クレジット決済について
文学フリマ東京38の当日から3日前、2024年5月16日に、
Apple社が電子決済サービス向けにiphoneでのタッチ決済を提供開始しました。
これの何が画期的かと言うと、
これまで電子決済アプリなどは、専用の決済端末を買わねばなりませんでした。端末代がかかる、というだけではなく、iphoneなどに端末をBluetoothなど短距離無線通信を使う関係上、反応が遅かったり、接続が途切れたりと、
決済に時間とストレスがかかることがネックでした。
しかしこれがiphone一台で決済可能になってしまう! 端末要らず! 通信切断の心配なし!
文フリ直前なんて、なんとタイムリー! と思いました。
ミーハーな南雲は文フリにクレジットカード決済を取り入れよう! とアプリを導入しました。
しかし後から調べてみたところ、クレジット会社や電子決済アプリはR-18作品の決済を禁止している会社が多くあり、
今回出す本の一つにR-18作品があったため、何冊も買っていただく方には、決済に現金とクレジットカードのハイブリッドを強いることに。
金銭管理する側も一気に複雑化して事故につながるので、今回は積極的なクレジット決済のプッシュを断念するに至りました。
しかし、買い手のお一人がiPhone決済の人柱(!)になってくださったので、
当時の検証ツイートを貼り付けておきます。
◇Kindle著者ページ
◇booth
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