2024年11月14日 相場日記
相場概況
米株
米株はレンジ相場となりました。10月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想に沿った結果となったことが買い材料となった一方、トランプ氏の勝利による関税強化への懸念からハイテク株が売られ、ナスダックは続落しました。米国債利回り
10年物国債利回りは下落しました。10月のCPI発表を受け、FRBによる12月の利下げ期待は後退しました。トランプ氏の財政拡張的な政策による国債増発懸念も、金利上昇の要因となっています。金価格
金は下落しました。12月の米利下げ観測を支えるCPI統計を受けて上昇する場面もありましたが、その後は売りが優勢になりました。市場ではトランプ次期政権の政策が経済成長と企業収益を押し上げるとの期待が高まっており、これにより株式とドルが買われ、金相場の重しになっています。原油
原油は上昇しました。中国の景気刺激策への失望感や2025年の供給増加見通しから、米国時間の原油先物は2%以上下落しました。仮想通貨
ビットコインは1,400万円を突破し、一時1,449万円の値を付けました。トランプ次期大統領への期待が価格上昇の主な要因となっています。ドルベースでも一時9万3,000ドルと史上最高値を更新し、時価総額は銀を超え、NVIDIAの半分に迫る水準となっています。
通貨強弱
ドル
ドルは大きく上昇しました。この動きの背景には、米国の消費者物価指数(CPI)の発表を受けて年内の追加利下げが確実視される一方で、米長期金利の上昇がドル上昇圧力になっています。特に、米国の財政悪化への懸念が長期金利の上昇圧力となっています。また、共和党が下院で過半数を維持したことで、トランプ氏の政策が実行に移されやすくなっていることも背景にあります。円
米国の長期金利が上昇していることが円安を促進しています。ただし、円安が進行する中で、為替介入の可能性が意識されているため、円の動きに注視する必要があります。
ユーロ
ユーロは下落しました。ドナルド・トランプ氏が次期大統領に就任することに伴い、ユーロ圏に対する関税引き上げが懸念されています。ポンド
ポンド円相場は、英国の金融政策動向に注目が集まっています。英国の経済指標が弱含みであることがポンドの下落を助長しています。豪ドル
豪ドルは中国経済に大きく依存しているため、中国の経済指標が悪化することが豪ドルにとってのリスク要因となります。最近の中国の景況感悪化が豪ドルの下落を助長しています
ファンダメンタルズ
CPI:ブルームバーグの算出によると、コア指数は過去3カ月の年率ベースでは3.6%上昇し、4月以来の高い伸びとなりました。エコノミストはインフレトレンドの指標として、総合CPIよりもコア指数の方が好ましいと見なしています。総合CPIの前月比上昇率の半分以上は住居費が占めたと、統計発表元の労働統計局は説明した。当局が重視する個人消費支出(PCE)価格指数は、CPIほど住居費のウエートが高くありません。PCE価格指数が当局目標の2%に近づきつつあるのは、それが一因です。食品とエネルギーを除いた財の価格は、2カ月連続で上昇しましたが、中古車を除くコア財価格は0.2%低下し、今年最大の下げとなりました。医療保険や航空運賃など、強い伸びを示す一部のCPI項目はPCEには直接反映されず、今月下旬に発表されるPCE価格統計は落ち着いた内容が予想されます。米金融当局は賃金の伸びにも注目しており、個人消費の見通しを見極める要因となります。インフレ期待指標は一部でやや高い水準が続き、懸念材料となり得ます。