#身近な街の空気
図書館2冊。柴崎友香さんが大好き。
※物語の内容や結末に容赦なく触れていますのでご注意ください※
📚百年と一日
30話くらいの超短編集。
どのお話も柴崎さんらしく、今いるひとと過去にいたひとの時間やそのときの景色が切り取られてる贅沢さ。面白いけど続きが気になるところで終わっちゃうからちょっと惜しい気持ちになる。
建物の屋上にある部屋を探して転々とするひとの話が特に好きだった。地下の噴水と話も良かったな。やっぱり柴崎さんは身近な街の空気の匂いがするところ、その風景に今はいないけどかつてはいたひとのことを想像して思いを馳せられるところが好き。
📚#待ち遠しい
こちらは30代後半の女性春子が主人公の、街との間というよりご近所の人間との間にある空間のお話だった。
舞台は住んでいる離れのおうちだけど、その大家さんであるゆかりやその親戚の若い主婦沙希との日常がつらつら語られてる。どう言ったらいいか自分の中で言葉にできる類のことじゃないから言いにくいけど、生きてく上で普通とはなにかとか自分をどこから客観視するかとか、一言で言っちゃえば人それぞれいろいろだよねとまとめがちになってしまうことの、そういう距離感に視点が当てられた話だった。
春子は未婚で子供もいなく、一人暮らしでゆっくりお茶を飲んでたまに刺繍や消しゴムはんこを作る生活に静かに満足していて、その価値を揺らがせずに終わるのが良かった。