紫色のパンジーを買った
こんなはずではなかった。
あとは詞をかたちにするだけで楽曲は完成する。
タイトルも決まっている。いい曲になりそうだと思った。入れたいセンテンスもできている。花も見つめてくれている。昔はそのへんにも咲いていたらしいパンジーという名前の花だ。
この花のことは気に入っている。バンドのメンバーは人間の顔のようで不気味だという。
わたしからしたらメンバーの持っている花たちのほうが恐ろしいと思う。
まるでこちらの意識を気にしていないような顔をしている。
ただ茎を伸ばし、花の目はこちらを