よそよそしさから汽笛のなる故郷の街へ
私は大阪生まれ、和歌山育ちで
高校まで和歌山、大学は神戸市、就職は大阪と
ずっと関西暮らしだった。
結婚して初めて関東暮らしがスタート。
子供が生まれてから一軒家に住もうと
関西人二人が土地勘ないまま
どこということもなく
都内か神奈川かと超漠然とした
不動産めぐりがスタート。
そしてほどなくし
流れるように
決まったのは横浜。
夫婦ともに
誰一人知り合いのいない街。
寂しさもありつつ
ゼロスタートな
清々しさと同時に
どこかよそよそしい街。
時々、猛烈に寂しくなったことも。
そんな始まりから
いつの間にか子育てを通して
地元の人の暖かさに触れ
ちょっと下町っ子な情の熱い横浜市民の
気質を知っていく。
初めましてはクールに見えるのだけど
深く付き合うと面倒見がよくて
横浜のいいところをたくさん
教えてもらい
あちこち連れて行ってもらったりもした。
そうしてよそ者だった私は
すっかり横浜から離れがたくなった。
今住んでいる街で好きなところは
浜風がふ〜っと家を駆け抜けるところと
汽笛が聞こえるところ。
ぽぉーーーーっと太く
心地よく響く汽笛に
どこか遠くへ思いを馳せてみたり・・・
横浜がその入り口になっていると思うと「どこか遠く」が
身近に感じられてふわんと高揚感もあり。
どこからきた船でどこへ行くのかなぁと
しばらく脳内トリップを楽しむ。
しばらく
家を離れて横浜に戻ると
ぽぉーーーーーーーっ
と汽笛が鳴るとホッとして
ああ、帰ってきたなと思える。
一日色々あったとしても
浜風がすっと流して
朝がくると
また明日一日始まるよ、そんな
付かず離れず、変わらず
ここにいる、
そんな優しさを感じる街。