劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』
ネタバレ全開でいきます。
ご注意ください。
ジークアクス観てきました!
最高でした!
先に説明しておくと、僕は小学生の時にガンプラからガンダムに触れ始め、今ではAGE、SD以外のガンダム作品は全て視聴済なくらいガノタです。
開始30分は『シン・機動戦士ガンダム』
いや、最初30分くらいエグかったですね。
考察されてはいましたが、まさか現実に一年戦争のパラレルワールドをやってのけるとは。
『シン・ウルトラマン』を公開初日に見に行って、アバンのウルトラQで空いた口が塞がらなかった体験を思い出しました。
「宇宙世紀0079。人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって......」と聞こえてきた時には僕含め劇場内で何人か笑っちゃってました。
というか、パラレルとはいえ宇宙世紀をTVアニメで描くなんて何十年振りですか?いや、サンダーボルトとかUCをTV用に再編集されたやつはありましたけど、元々からTVアニメとして宇宙世紀を描くのってマジでVガンダム以来では......?まずそこがもう僕は嬉しいですね。
庵野っぽいと思ったらやっぱり。
カット割りとか構図もファーストガンダム当時を踏襲したシーンの連続で、しかも劇伴に至っては当時の物を丸々使ってる。いやー開始30分は完全に『シン・機動戦士ガンダム』やってましたね。パンフを読むと0079パートはやはり庵野さんが脚本を書いて進めたようで、ホントにシンシリーズの系譜、庵野秀明の楽しい老後生活~ガンダム編~を観てる気分でした(笑)鶴巻監督的には当初0079パートはTVアニメのアバンで収めるつもりだったようですが、庵野さんが映画1本出来ちゃう量の脚本を上げてきたようで、それを精査して1話分にしたそうです(笑)パンフ見ると庵野さんが「シャアが乗る赤いガンダムが描きたい」「ガンダムVSガンダムが描きたい」って頻繁に言ってて、そういった意味でも0079パートは完全に庵野秀明ワールド全開でしたね。デニム、スレンダー、ドレン、テム・レイ、パオロ艦長、ワッケイン、マリガン、キシリア、マ・クベ、そして0085パートにカムランetc......色んなキャラがサプライズ的に登場して完全お祭り状態。キシリアの補佐官的なあの髭の旦那は誰なんだ...なんとなく名有キャラっぽくて僕的にはドズルが戦死したのもあって、シン・マツナガだったり.......?とか思ってたんですが、エンドロールにも名前は無かったので恐らく端役でしょう。
ガルマは劇中でも名言があり、パンフの年表には私情から軍を抜けたと書いてあるので恐らくイセリナと結婚したのか......?
歴史の分岐点
歴史の分岐点になったのはサイド7偵察にジーンではなくシャア自らが赴いたという点でしたね。考察界隈ではブリティッシュ作戦が成功したのでは?と言われてましたが、そこは正史通りオーストラリアに落ちてるので考察は外れてました。
シャア本人が「私も運の良い男だ。いや、あの時の閃きのおかげか?」的なメタいセリフを吐いてたのがニヤリ。鶴巻監督と庵野さんという外界の力の介入によって歴史は分岐したのです。ちなみにサイド7に入港していた揚陸艦は原作で言うホワイトベースですが、今作ではあくまで「ペガサス」という名称だそうです。ホワイトベースではなくペガサス、そういう違和感を意図的に入れたと鶴巻監督はパンフで語ってました。またシャア一行がサイド7を出た後に交戦した01ガンダムは、01というナンバリングとそのカラーリングから「プロトタイプガンダムだ!」と興奮しましたねぇ。パンフを読むと実際庵野さんがMSVのプロトタイプガンダムをイメージして入れたそうです。
てか、ガンダムと新型戦艦を奪取されて益々追い込まれたこの世界線の連邦、それでもソロモンは正史と同じように陥落させられるしドズルは戦死するし、連邦スゴすぎるだろって思いましたね(笑)
あとシャアがガンダムを初めて起動した時の歩行スタイルが完全にエヴァ...(笑)
ファンがニヤリとする小ネタ
パンフ読んでてびっくりしたのが、シャリア・ブルの乗ってたブラウ・ブロ......あれブラウ・ブロって名称じゃなくて「キケロガ」らしいです。キケロガ!初代ガンダムに登場予定だった富野監督のメモに書かれてた機体ですよ!それ拾うんだ!って興奮しましたねぇ。またシャアとシャリアのコンビは小説版ガンダムをイメージしてるそうです。あぁ、言われてみれば(笑)
コンペイトウでシャアが起こしたゼクノバは恐らく逆シャアのアクシズショックをイメージしてるでしょうし、相変わらず小ネタに欠かない。
この世界線ではガンダムが奪取されてしまったので、その流れでジムは生産されず、代わりにガンキャノンの低コスト版が量産されてるってのも納得ポイントだなぁ。コンペイトウ内でシャアが対峙したキャノンのパイロットは恐らくセイラさんだし、セイラさんも今後のTVシリーズで出てくるのかなぁ?でもパンフでは過去作のキャラはあくまで歴史上の人物としての登場で、物語に深く関わらないようにしてると監督が語ってるので出ないかもですね。でも、その塩梅がいいんだよなぁ。あくまで本番は0085パートからなんですよ。あのままパラレル一年戦争やってもそれは勿論面白いし、過去作キャラを積極的にメインストーリーに絡めたらファンはそりゃ湧くけど、それだとファンムービーっぽくなってしまう。現に『シン・ウルトラマンや』『シン・仮面ライダー』はファンムービーと酷評される事もあるわけで、でも今作はそうではない。ちゃんと棲み分けしてるのが今までのシン作品、カラー制作の二次作品とは違う所だと思います。僕は好きです。
全然空気が違う0085
恐らくTVシリーズの2話、3話に相当するであろう0085パートは、まず作画から違いましたね。それ以前の0079パートは安彦さんの絵をイメージした作画になってましたが、コチラは少しデフォルメされた現代的なデザイン。確かに0079をこの可愛いタッチでやるのは違うと思うが、同じ作品で意図的にこうも作画変えるのは面白いなぁと。
パンフで鶴巻さんが語っていたのは、戦争や政治とは違う、ポケ戦のような人々の日常を描きたいと。確かに、0085パートは警察や非合法クランバトルがメインの軸となっており、それまでの一年戦争からレンズを絞った感じになっていました。あと、マチュ=ハマーン・カーン説出てたけど、多分違うよね?お母さん普通の人だったし。いや、養母とかなら話変わってくるけど...。
あとシュウジの「ガンダムが言っている」はネットミームになりそうだなぁ......(笑)
あとジークアクスはやっぱり本来の名前が別でありそう。
ゼクノヴァって何?
0079、0085に共通し、作品のテーマでもあるゼクノヴァ。マチュはこれを"キラキラ"と読んでいましたがコレなんなんでしょうねぇ......。パンフでは原作でいうアムロとララァのNT能力が交感し、キラキラした空間で会話してたアレをアニメ的な演出ではなく、物理現象として描いてみようってしたのがゼクノバらしい。だとすればシャアは誰と交感したんだ?セイラ?そして原作のように聞こえる「ラ・ラ・ラ」という女性の声。え、ララァなん?(笑)この世界でのララァは実は死んでて思念となって宇宙に漂ってるとか?あとシャアがゼクノバ起こした時に、キシリアの補佐官が「保管していた〜の薔薇が消失した」って言ってたけどそれは何?サイコフレーム的な?ってかNT能力が開花して刻が見えたとしてなんでシャアは消失した?そして、何故消失したはずのガンダムが0085にシュウジの乗機となって再び現れた????とにかく謎が多い。物理現象としてゼクノヴァが生まれたという鶴巻監督の言葉から、今までオカルト的側面が強く描かれてきたニュータイプについて、現実的な側面からメスを入れるような新解釈が提示されるかもですね。
何気にスゴイと思ったこと。
今作何気にスゴイと思ったのが、過去作キャラがみんな新しい声優さんが声当ててるって所なんですよね。あくまでパラレル一年戦争だし、新しく作品を作る上でキャストも一新しただけと言ってしまえばそれまでなんですが、これ今後ファーストガンダム声優さんが引退されたり鬼籍に入られた場合でも、この『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』という作品でゆっくり時間をかけてファンの耳に慣れさす事でシームレスに新声優に移行できると思うんですよ。それこそ例えばシャアの池田さんが今後声を当てられなくなり、今作でシャアを担当された新さんに交代したとしても、ファンの拒絶反応はかなり薄れると思うんです。過去に『ガンダムビルドファイターズ バトローグ』でシャアの声優をオリジンでシャア(本物)を演じた関俊彦さんが当てたことでも話題でしたが、そういった世代交代の布石の意味でも今作はスゴイ意味のある物だったなぁと。
まとめ
とりあえずこんな感じです。
めっちゃ面白かったし、僕の中で好きなガンダム作品TOP3に入るかもしれないって思いました。早く先が見たい。
なんか、ガンダムの歴史が新しいフェーズに入った予感がしました。
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おわり。