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異文化コミュニケーションの不思議:山東省の方言に中国語初学者だった僕が出会った話
中国語を勉強し始めたばかりのころ、山東省の田舎からやってきたお爺さんと出会いました。
そもそもこのお爺さんの息子さん夫婦と友人でした。
息子さんは小学校から都市部にあった学校で暮らし、両親とほとんど過ごしたことがないと言います。またお嫁さんとご主人の実家はまったく違う場所です。
それで、お嫁さんとお爺さんとはコミュニケーションがほぼ取れません。
お互いに中国語を話しているはずなのですが、聞き取れないのです。
ちなみに、そのころのわたしの中国語は初級の初級です。
中国語で難しい話なんてできません。また中国語発音にも苦戦していて、中国人たちはわたしに日本語を「聞き取れないな〜」と良く笑っていました。
つまり当時の構図は以下の通りです。
お爺さん と 息子(コミュニケーション可能だか、不明瞭なところあり)
お爺さん と お嫁さん(コミュニケーションはほぼ不可)
息子夫婦 と わたし(コミュニケーション可能だが、お互いの推測能力が必要)
みんな中国語を使ってるのに、まともにコミュニケーションとれてるのが夫婦だけと言うが面白い状況です。
さて、お爺さんは暇していましたので、私はよく遊びに行って話し相手になってました。
最初のころはお互いに何を話しているのかサッパリでした。
でも、一緒に本を読んだり筆談したりしているうちに、何となくお互いに相手が言っていることがわかるようになり、数ヶ月後には冗談を言っては笑うくらいの間になりました。
お嫁さんは、わたしたちが楽しそうに話している様子をみて「何を言ってるのかさっぱりわからない」と思っていたそうです。
でも、わたしたちはお互いに理解できているように感じていました。
さて、どうしてこんなことが起きたのでしょうか?
わたしの中国語が初歩の初歩だったのがポイントではと思っています。
相手もわたしも、わたしの中国語を通じないと思っています。そして、お爺さんも自分には強い方言があることを認識していました。
それで、お互いに自分の中国語に自信がない状態で、手探りでコミュニケーションすることになります。
その結果、理解できないことを相手のせいしたりせず、フラットに話しているうちに、何となく理解できるようになり、二人の間では問題なく意思疎通できるようになりました。
お爺さんが帰国するとき、荷物が多すぎて預け入れ荷物を減らすようにと支持されました。
お嫁さんは、お爺さんに事情を説明しようとするのですが、お爺さんは理解できません。
それで、わたしがお爺さんに事情を説明し、スーツケースから衣類を取り出して、それをお爺さんに着せました。
さらに、紙袋を渡して中に入ったら服を脱いで紙袋に入れるように説明しました。
すると、お爺さんは笑ってその通りにしてくれくれました。
お嫁さんは「くまてつさんは、わたしよりもお爺さんとコミュニケーションできるようになりましたね〜」と驚いてました。
わたしも驚きでした。
この経験が何の役に立つのかわかりませんが、外国語を学ぶうえで生じるひとつの出来事として覚えておきたいと思ってます。
いつか日本語を学ぶ外国人にこの経験が役に立つ日が来るかもしれませんので・・・。どうだろう?
今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
また明日
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