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春節に北海道旅行へ行ったけど日本を感じなかった中国人のお話

授業で「春節は何をしましたか?」と話題を振ったところ、何人かの中国人学習者さんが日本へ旅行していました。

その中で、北海道へ行ったBさんに「旅行はどうでしたか?」と聞くと、意外にも微妙な反応が返ってきました。

楽しかったような、そうでもなかったような、そんな曖昧な答えです。

理由を聞いてみると、北海道の大自然はとても良かったものの、それ以外は特に感動しなかったとのこと。

特に残念だったのは、どこに行っても周りが中国人観光客ばかりだったことです。

観光地でもレストランでも聞こえてくるのは中国語

大きな声で話し、自由気ままに振る舞い、写真を撮りまくる。その光景が、普段の生活とあまり変わらず、「日本らしい情緒を感じられなかった」と言います。

もちろん、日本人が全くいなかったわけではなく、ホテルやお店の従業員として日本人はいたそうです。

でも、観光を楽しんでいる日本人はほとんどおらず、「もしかすると、自分たちは日本人が興味を持たない観光地に連れて来られたのでは?」とさえ思ったとのこと。

私は「日本は春節でも普通に仕事なので、それはないんじゃないかな」と説明しましたが、Bさんは「あまり納得できない」という表情を浮かべていました。

さらにBさんは、「店員の半分が中国人や他の外国人で、どこに来たのかわからなくなった」と話していました。

せっかく日本に来たのに、日本らしさを感じることができず、旅行の満足度はあまり高くなかったようです。

ちょっと気の毒に思いましたが、ぼったくりに遭ったわけではなく、その点では安心しました。

最近、日本では外国人観光客向けのレストランやお店が増え、演出には力を入れるものの、味はそれほどでもない店もあると聞きます。

特に「忍者!」と大きく書かれたお店などは要注意です。

授業でも、忍者とかを全面に出しているお店は気をつけたほうがいいですよと話しているくらいです。

値段も驚くほど高いことがあるので、観光客の皆さんには慎重に選んでほしいところです。

Bさんの話を聞きながら、日本を楽しみたいと思って来たのに、周りが同じ国の人ばかりで、サービスにも特別な感動がなかったら、次はどこへ行けば満足できるのだろう?と考えました。

Bさんにも「先生、おすすめの場所はありますか?」と聞かれたので、「温泉が好きなら大分、食文化に挑戦したいなら鹿児島がいいですよ」と答えました。

するとBさんも、他の学習者さんたちも「九州旅行に挑戦してみようかな」と興味を持った様子でした。

その様子を見ていて、私はふと「旅行が嫌いな自分も、もう少し経済力をつけて次の旅行先を検討できるくらいになりたいな」と思いました。

まあ、それはさておき、日本旅行がどんどん外国人観光客向けに変化していくと、中国人観光客もいずれ日本に新鮮味を感じなくなり、飽きてしまうのではないか…そんなことを考えたりもしました。

実際のところ・・・どうなんでしょう?

今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
また明日!

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くまてつさん@中国|日本語教師
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