日本の懐かしい夜の暗さと、ほのかな明かりが蘇る。水木しげる先生の少年時代回想記「のんのんばあとオレ」
「のんのんばあとオレ」
水木しげる著。
読了した。
水木しげる先生の自伝である。
なぜ、妖怪のようなもの、目に見えないものに興味を惹かれるようになったか?その経緯が、幼年時代から、お守りであったのんのんばあとの付き合いを通し、描かれる。
戦前から、戦後までの日本の人々の暮らしや、
時代も感じられる。
あの頃は、人の死が、生活の中にもあった、。
読んでいると、著者の知り合いの子や、近所の人の死がよく出てくる。
そういうものが人目にも触れていたし、医学も今より発達していなかった、。
日本が持っていた薄暗さや、自然の夜の闇の中で見る灯のようなもの、そんな雰囲気を味わうことができる。
子供たちの縄張りや、ガキ大将たちの裁量権、その独特の時に、荒々しい社会のようなものも、水木少年の目を通し、描かれている、。
お地蔵様を掘り出して祀るシーンが、夜の中でほんのり光、印象的である、。
境港は、連合艦隊が、停泊しにきたこともある大きな港町だが、そこを、子供たちは、遊泳、遠泳で、対岸の鳥取半島まで、泳ぎ渡ることもある。
大船を避けて泳ぎ進むというのだからすごい。
子供たちが、鳥取半島に渡って行う遠出みたいなものも、不思議な感覚、。
少年の生活の中に、妖怪が生き生きと、生きている。
のんのんばあが、少年の不思議な体験や、気持ちを、ピシリと
「それは、◯◯じゃな」
と、妖怪談義を語って聞かせる、。
僕は、東京の外れ、山の中で育ったが、その僕にも、かろうじて、辿れる夜の暗さ、田舎っぽさも、作品には、漂い、懐かしさも感じさせる、。
好きなシーンは、少年がお風呂に入ると、当時のお風呂場は、暗く、静かで、隣家の会話すら聞こえたという、。
そこで、、
★(ここからは、読んでいて、思い出した僕の思い出だけども)
子供の頃、ボーイスカウトで、田舎の家に泊まったことがあった、。
そこは、母屋と、風呂場にしか、電灯がなかった。
お風呂場は、木の風呂桶で、豆電灯の暗いお風呂だった、。
僕は、妖怪が好きだった反面、とても怖かった、。
そんなことも思い出したりした、。
★
メンコをしていて、雷が鳴り
「おへそが!と怖がるシーン」
があるが、僕も、夕立にあい、恐れて帰った思い出もある、。
自分の子供時代も思い出させてくれる、。
休みの異体験読書である。
懐かしさもある。
子供の頃を思い出させてくれる、。
本は、タイムスリップ、異世界や、擬似体験ができる。
素晴らしいものだ。 挿絵も、素晴らしい!
良書である!!
★★★★★妖怪、お化け好きな人
★★★★★水木しげる先生のファンな人
★★★日本の懐かしさを読みたい人
★★★★少年時代の冒険を追体験したい人
に最適な本です!
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