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「これぞいだてんの醍醐味」
大河ドラマ「いだてん」が今週の日曜日に最終回を迎え、1年間にわたる放送が終了しました。
視聴率の平均は8.2%という低い数字を出してはいましたが、私個人としては龍馬伝以来久しぶりに1年間をとおして1話も見逃さずに完走し、十分に楽しませてもらえたドラマでした(^_^)
特に最終回で感じたのは、「大河ってこんな明るい終わり方もできるのか」という驚きと感動でした。
大抵の大河ドラマは、戦国時代や幕末を扱うため、主人公の最後は自害や討ち死、暗殺などになり、後の世に自分の使命を託して終わる、といった情景描写になります。
しかし、いだてんは違いました。
金栗四三も田畑政治も途中で死ぬことなく(笑)東京オリンピックを迎え、最高の盛り上がりの中でドラマが幕を閉じました。
たった2人だけで出場したストックホルムオリンピックから52年かけて「やっと東京でオリンピックを開くことができた」。その喜びのままでエンドロールを迎えたわけです。
20世紀は映像の世紀でもあり、最後は金栗四三さん本人がドラマの中に登場するという、かつての大河ドラマでは無かった演出もありました。
今では当たり前かもしれませんが、誰かが殺されるわけでもなく、誰もが純粋にスポーツを楽しんでいます。
途中で政争に負けて辞任した田畑政治も、職を解かれただけで、憎まれども殺される、というところまではありませんでした。
近現代史は、私たちが生きている時代を形づくってきた、わずか数十年前の出来事のストーリーです。
どんな風に人が権利を持ち、自分の好きなように生きることができる自由を手に入れることができたかを理解することができる、日本人が一番知らなくてはいけない時代です。
単なる歴史のロマンを味わうのみならず、時代をつくってきた先人に対する尊敬心が生まれる箇所でもあります。
それなのに日本史の授業で扱う時間は一番短いというのがこの国の現状であり、変えなくてはならない教育の部分ではないかと思っています。
いだてんの中には、五・一五事件や満州事変、第二次世界大戦、ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺など非常に重いテーマもありました。
しかし最終的には白人、黒人、黄色人すべてが混ざり合い、世界平和の旗の下に、ヨーロッパから遠く、かつて極東と呼ばれた東京で開催されるオリンピックに参加するために集いました。
これこそが人類が長い歴史の中で勝ち取ってきた「平和」という2文字ではないでしょうか。
純粋にスポーツだけで世界が1つになることができる。
その平和な時代の尊さを実感することができる。
これがいだてんの醍醐味ではないでしょうか。
来年行われるオリンピックは、「自国ファースト」の風潮によって世界が分断されつつある中で、「世界平和」の良さを改めて実感するオリンピックになれば良いと思いますし、私もできることをしたいと感じました。
後日、日本にオリンピックという道を切り拓いてくれた金栗四三さんのお墓参りに行こうと思います。(^_^)
※表紙の写真はスクショして載せています。(出典:NHKオンデマンド 大河ドラマ「いだてん 〜東京オリムピック噺〜」)
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