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【感想】オリエント急行の殺人① |アガサ・クリスティー

元彼がミステリーが大好きで、国内、海外問わず、いろいろな作品を読んでいた。
一方、私はさほどミステリーは読まなかった。

「アガサ・クリスティーは読んだことある?」

なかった。
そもそも海外作家の作品はほとんど読まない。

それを聞くと彼は少しがっかりしたように見えた。

もし、私がアガサ・クリスティー好きだったら、別れようなんて言わなかったんだろうか。

そんなことを考えて、アガサ・クリスティーの作品を読むことにした。
最初に手に取ったのが、オリエント急行殺人事件だった。
私の中でアガサ・クリスティーといえば、この作品だったのだ。

あらすじはこうだ。

真冬の欧州を走る豪華列車オリエント急行には、国籍も身分も様々な乗客が乗り込んでいた。奇妙な雰囲気に包まれたその車内で、いわくありげな老富豪が無惨な刺殺体で発見される。偶然乗り合わせた名探偵ポアロが調査に乗り出すが、すべての乗客には完璧なアリバイが…
ミステリの魅力が詰まった永遠の名作の新訳版

『オリエント急行の殺人』あらすじより|アガサ・クリスティー

殺されたいわくありげな老富豪(ラチェット)と言うのが、かつてアメリカでアームストロング事件を起こしたカセッティという男だった。
アームストロング大佐は大富豪で、有名女優の娘である妻と、娘のデイジーと共にアメリカで暮らしていた。
カセッティは身代金目的で、デイジーを誘拐するが、身代金を受け取った後、デイジーを大佐の元へ返すことなく殺害する。
娘を殺されショックを受けた夫人は流産し、亡くなってしまう。
アームストロング大佐は絶望し、拳銃で自殺する。
しかし、犯人のカセッティは、証拠不十分で無罪となり、ラチェットと名前を変えてアメリカを離れた。

そのカセッティがオリエント急行の中で、12回刺され殺された状態で発見される。
その刺し傷は、右手で刺されたもの、左手で刺されたもの、浅いもの、深いものいろいろ混ざっている。
犯人の手がかりとなりそうなのは、パイプクリーナー、Hと刺繍されたハンカチ、アームストロング事件を示唆するような手紙の燃えかす。
犯人はアームストロング事件の関係者ではないか、と思われるが、1人を除いて乗客の中に関係者はいない。
ポアロは犯人探しを行うが、すべての乗客に完璧なアリバイがあるように思われる。

私はこういうミステリーで犯人を当てられた試しがない。
推理力がないのだ。
でもせっかくの超有名ミステリー作品なので、犯人を想定しながら読んでみようと思った。
メタ的に考えると、乗客以外の誰かがオリエント急行に忍び込んでいて、殺害したというのは物語としてつまらないので、犯人は乗客の誰かだろうなと思った。
でも、意味ありげな人が多いし、全然わからない。


以下、犯人と思われる乗客一覧

  • メアリ・デブナム  イギリス人の家庭教師。冷静沈着。

  • アーバスノット大佐 イギリス人。アームストロング大佐とは知り合いではない。

  • ヘクター・マックィーン 一年ほど前からラチェットの秘書を務めている。

  • エドワード・マスターマン ラチェットの召使い。

  • ハバード夫人       アメリカ人。明るく騒がしい。

  • ドラゴミロフ侯爵夫人   ロシア人富豪。アームストロング夫人の名付け親。

  • ヒルデガルデ・シュミット 侯爵夫人のメイド。

  • アンドレニ伯爵      ハンガリー人の外交官。ハンサム。

  • アンドレニ伯爵夫人    伯爵の妻。美人。

  • サイラス・ハードマン   アメリカの私立探偵。ラチェットから密かに依頼を受けていた。

  • グレタ・オールソン    スウェーデン人の婦人。おとなしい。

  • アントーニオ・フォスカレッリ イタリア人のセールスマン。

  • ピエール・ミシェル      フランス人の車掌。


国内作品ばかり読んでるせいか、本当に名前が覚えられない。
普段発音しないような名前ばかりだもの。難しい。

右手で刺されたり、左手で刺されたりしているから、とりあえず2人くらい犯人がいるのかな?と思った。

アームストロング事件に関わりがありそうなのは、ドラゴミロフ侯爵夫人だけ。
アーバスノット大佐は、アームストロング大佐と関わりはないと言っているけれど、同じ軍人だし、怪しくない?
実はアーバスノット大佐とメアリ・デブナムは冒頭で「あなたをこんなことに巻き込みたくなかった。」なんて意味深な会話をしていて、めちゃくちゃ怪しい。

でも、こういうのってきっとミスリードで、全然別のことを話していただけだったりするんでしょ?

メイドや車掌とかも犯人ではなさそうだし。
犯人はきっと意外性がある人物。
そうじゃないと面白くないし。
そして複数人。

意外性に全振りして、アンドレニ伯爵と伯爵夫人が犯人なんじゃないと適当に推測してみた。
何にも関係なさそうな、若い美男美女カップルが殺人とか、ストーリー的に盛り上がりませんか?
アリバイをどう崩すかは全然わからないけれど。
どっちかが、アームストロング家の関係者で、パイプクリーナーもハンカチも二人が落としたんじゃない?

まあ、全然違ったんですけどね。
やっぱり推理できない私であった。

でも、今までにない展開だった。
そして解決方法もなるほど、と感心した。(←一体、何様?)

長くなり過ぎてしまったので、犯人が分かった後の感想は次回に回そうと思う。


つづく

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くまのおすし
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