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初心
改めて俳句の通信教育で詠んだ句を眺めてみた。なるほどひどいもんだと思う。その入門コースは標準6ヶ月で5回の課題レポートを提出することになっていた。確か、6ヶ月では間に合わずに少しオーバーしたはずだが、一応「修了証」なるものを頂いた。以下が、その5回のレポートのなかで詠んだ句だ。
迷い道抜け出す先の春の空
記念すべき最初の一句。お題は「旅立ち」という言葉から連想する場面を思い起こし、そこから句を詠むというもの。私が考えたのは社会人になった時のことだった。何をして生きていくのか、夢も希望も抱くことができなかった。とりあえず就職先は決まったものの実感のないままに初出勤の日を迎えた。心の曇りとは裏腹に抜けるような青空だった。そういうことを詠んだつもりだった。
ちなみに添削を受けて示された「参考句」は
春の空迷い抱えたまま見上ぐ
以下、課題提出の順に列挙する。添削で参考句が示されたものは、参考句を括弧書きにした。
旅先で目に入る田植え我が仕事
梅干しや壺を飾る塩の汗
(梅干しや壺に吹きだす塩の汗)
風と汗飛ばして撓う団扇かな
(顔の汗飛ばして煽ぐ団扇かな)
霜柱わずかな土に時の色
(霜柱わずかに土の色の着き)
冬至の夜「金銀融通」お札貼り
入門コースなので作句の課題は少なくて、上記で全てである。とりあえず、俳句の方はこのあたりで置いて、短歌の方をかじってみようと考えた。ちょうどその頃、ほぼ日の学校というところで「だれでもが歌にときめく万葉集講座」の生徒募集を目にした。申し込めば受講できるのかと思ったら、希望者の中から抽選で受講者が選ばれるとのことだった。幸い、抽選を通過した。
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