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たまに短歌 思い出したこと

とっくりを さんざんならべ ふとおもう
ちょうしにのるな でんしゃのじかん

徳利をさんざん並べふと思う
調子に乗るな電車の時間

酒はそれほど飲まないので、この歌のような経験は無い。「とっくり」と「ちょうし」を掛けることで頭がいっぱいになっていて、何か言ってみたいのである。それに、無理に短歌にしなくてもよさそうなものだが、自分でこのnoteの題材を歌、俳句と読書ネタと決めているので、ここに書くからには何か詠まないと、という思いもある。

昨年2月にフィルムカメラを購入し、それ以前もレンズ付きフィルムを使って写真を遊んでいる。カメラにはフィルムを装着しないといけないのだが、装着の際の注意事項はカメラ店の人から聞いている。その一つは規定枚数以上に撮ろうとしないこと、というものだった。

大抵の場合、フィルムの箱に何枚撮りという表示がはっきりと出ている。私は使うフィルムを36枚撮りの白黒のISO100と決めている。メーカーはいろいろだ。先日、銚子と佐原で使ったフィルムがここ1年での8本目だった。カメラ購入当初はフィルムの装着がぎこちなくて、律儀に数枚分の空シャッターを切っていたのだが、近頃はフィルムの巻き上げが確認できたら、それ以上は空シャッターを切らないようになった。つまり、空シャッターが少ない分、撮影枚数が多くなるということだ。

銚子と佐原で撮った写真には明らかに現像に難のあるコマが2枚あった。一番最初のコマと3枚目だ。縦方向に光の筋が入っている。殊に1枚目ははっきりしている。3枚目は光のモヤモヤのようなものが入っている。今回は36枚撮りで38枚撮った。決して撮りすぎとは思えないのだが、現像の袋に「現像結果ご連絡票」なる紙切れが同封されており、そこの「規定の枚数以上撮影されてた駒は、品質の保証はいたしかねますのでご了承ください。」のところに赤い印が打たれていた。

ちなみにこのロールを含む8本での撮影枚数は、37、38、36、37、39、40、38、38で「規定の枚数」で収まっているのは一本だけだった。これまではたまたま現像の不具合がなかっただけで、調子に乗ってはいけないということなのだろう。フィルムを装着したばかりの手元のカメラを取り出して、空シャッターを一枚追加で切っておく。

レンズ付きフィルムでも似たようなことがあったが、それは製造側の問題だと思った。
これは使用者側の問題だろう。

昔、仕事で光学関係の精密機械メーカーに度々お邪魔していたのだが、ふと気になって、それらの会社が今どうなっているのか検索したら、だいぶ寂しいことになっていた。ニコン、キヤノン、リコー、富士フイルムは今でも自社ブランドのカメラを扱っているが、「カメラメーカー」と呼べるような事業内容と言えるかどうか、といったところ。

旭光学は「ペンタックス(PENTAX)」ブランドで日本のカメラの代名詞のような存在だったこともある。昭和41年にビートルズが来日したとき、ポール・マッカートニーが手にしていたカメラには確かに「PENTAX」とあった。それはポールが宿舎のホテルから脱走して皇居で捕まった時の映像であったと記憶している。その映像を探してみたのだが見つからなかった。

手元にある『ビートルズ・レポート 話の特集 完全復刻版 東京を狂乱させた5日間』(WAVE出版、1995年)にはポールがカメラを手にしている写真が2枚掲載されているが、その写真ではカメラのブランド名までは写っていない。

『ビートルズ・レポート 話の特集 完全復刻版』(WAVE出版、1995年)44頁
『ビートルズ・レポート 話の特集 完全復刻版』(WAVE出版、1995年)45頁

しかし、カメラがデジタル化しようがしまいが、1990年代あたりにおいて既にカメラ事業そのものが多くの光学メーカーにとってはお荷物になっており、デジタル化云々はカメラ事業撤退の口実になったにすぎない、と私は思っている。旭光学は、いろいろあってHOYAと合併することになったものの、経営陣内部の足並みが揃わないところへ、HOYAからTOBをかけられてHOYAの子会社となり、2007年11月に上場廃止となった。その後、カメラ部門はリコーに譲渡され現在は同社のブランドの一つとしてPENTAXが存続する。

その旭光学で伺った話の中でいまだに記憶に残っていることがある。お邪魔する先は財務部で、決算の話を伺うことがほとんどなのだが、部門毎の話の中で人工骨材料が好調だというのが常だった。HOYAに継承された医療機器部門の中で、内視鏡は内視鏡単体ではなく、治療材料とセットで、使用範囲の拡大や提案を伴う営業が行われていた。それは旭光学に限ったことではなく、内視鏡大手のオリンパスでも同じような話を伺っていた。しかし、商品名、製品名まで事細かに話が出るのは旭光学の方で、そこで伺ったハイドロキシアパタイトという言葉がその響きと共に妙に印象に残ってしまっている。

たまたま、当時の勤務先での社内販売(主に取引先への営業協力)でそのハイドロキシアパタイト入りの歯磨きが回ってきて、「おっ」と思って、さっそく注文して使い始めた。歯の表面に生じた微細な傷はその歯磨きを使用することで修復可能だと謳っていたのである。それから30年ほどになるが、当初の社内販売から、転職後は歯磨きメーカーへの直接注文や近所のドラッグストア店頭、通販サイトなどを通じてその歯磨きを使い続けている。その甲斐があってのことかどうかわからないが、自主的に近所の歯科医で歯科検診を3ヶ月毎に受けていることもあり、口腔に関しては良好な状態を維持できている。それで、今週金曜日がその歯科検診の日である。

他にも写真関係でノーリツ鋼機とかミノルタのような印象深い会社はあるのだが、際限がないので別の機会があれば、そのときに覚えていることを記すかもしれない。

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熊本熊
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